トムとジェリー/悲しい悲しい物語
-
622:1/3:2013/02/06(水) 17:19:12.58
- 「トムとジェリー」の短編映画作品の一つ『悲しい悲しい物語』
鉄橋に敷かれた線路の上で投身自殺を図ろうとする血眼のトム、
そして、そんなトムの目も当てられない絶望的な姿を、
梁の上からどうしようもない風に眺めているジェリー。「可哀想に…もうすぐ何もかも終わって楽になれる」
そう語るジェリー。
「『何故君は助けないのだ?』と人は訊くだろう。わかってる。でも止めない方が彼の為なんだ」
「全てが始まったあの朝の事は忘れない。僕ら二人は本物の親友同士だった…」ここから、ジェリーによる語りを交えた回想シーンが始まる。
仲睦まじくミルクを飲んでいたトムとジェリー。そこへ現れたのはスレンダーなメスの白猫。
彼女の姿を一目見たトムは、その魅力に磁石よろしく惹き付けられてしまう。
ジェリーは何とかトムを止めようとするが、制止も虚しく、
純情なトムは完全に彼女のいいようにされてしまう。
しかしながら、メス猫と戯れるトムの満面の笑みは幸せそのものであったとジェリーは語る。
-
623:2/3:2013/02/06(水) 17:20:01.08
- そんなトムの前にライバルが出現。お金持ち猫・ブッチである。
メス猫の姿を一目見たブッチに恋人を奪われたトムは、当然のように闘争心に火が点く。「彼女の事は諦めた方がいい」というジェリーの説得に聞く耳を持たず、
一輪の花を片手に彼女宅を訪問。ところがドアを開けた先には
「ブッチより 愛を込めて」のメッセージが付いた大きな花輪が。
めげずに小さな香水をメス猫に差し出すも、
ブッチから贈られた香水のタンクローリーには適う筈もなかった。それでも彼女を諦める事の出来なかったトムは、全財産を指輪に充てる事にした。
購入した指輪はミリサイズ程の極小ダイヤモンド。
かたやブッチがプレゼントした指輪は、遮光面が必要なほど眩い光を放つ巨大ダイヤだった。彼女を何とか振り向かせようと、トムはローンを組み、
更に自分の腕と足を担保にして自動車を購入する。
「オンボロ」という表現がピッタリのポンコツ車を走らせ、メス猫を迎えにやって来たトム。
その後ろから、全長数十メートルは優に超える高級車に乗ったブッチに
あっさり轢き潰されてしまう。
-
624 :3/3:2013/02/06(水) 17:20:57.78
- どん底に落ちたトムはやけ酒(ミルク)を飲むようになる。
唯一無二の親友であるジェリーは、そんな希望を失ったトムを最後まで支え続けていた。
そんな二匹を嘲笑うかの如く、颯爽と高級車で横切るブッチとメス猫。
大量に積まれたプレゼント箱には「JUST MARRIED(結婚しました)」の字が。回想が終わり、舞台は再び鉄橋へ。
「誰もが僕のように彼女に恵まれるワケじゃない」
全てを語り終えたジェリーは、徐に恋人のネズミの写真をウットリと眺める。
「彼女は僕一人だけを心から愛している。一生色褪せる事のない、永遠の真実の愛だ…」そう物思いに耽っていたジェリーの前に一台のオープンカーが。
そこには見知らぬネズミとゴールインした恋人の姿があった。
儚くも恋に敗れたジェリーは、トムと仲良く並んで自殺を決行。けたたましく鳴り響く列車の警笛をバックに物語は幕を閉じる。
トムとジェリーは時代が時代なだけにブラックな風刺や恋愛ネタが多く見られるけど
この話だけは全く笑えなかった。
恋に敗れて自殺する話なんて今にしてみれば珍しくもないし、
この話自体もありがちな失恋話だと思うけど
いつもは喧嘩の絶えないドタバタコンビが珍しく親友関係にあり、互いに助け合い、
最後は仲良く一緒に死を待つという流れが非常に後味悪く、名に適う悲しい物語だった。
-
625 :本当にあった怖い名無し:2013/02/06(水) 19:49:34.20
- >>624
懐かしい、ウン十年前見てたわ。
虫眼鏡サイズのダイヤと溶接工の遮光面が必要な巨大ダイヤのシーンは強烈に覚えてる。