素封家の息子

24本当にあった怖い名無し:2013/02/23(土) 07:26:19.44
実話でもいいなら、うちの遠縁の兄さん(Aさん)の話。

Aさんは、とある田舎町の素封家の息子だった(次男)。
(ちなみに家は分家のそのまた分家ぐらいのポジションでパンピーw)

Aさんは若い頃に生死に関わる大病をして、それを克服、当時としては遅めの結婚をした。
(女の賞味期限はクリスマス、男は大晦日と言われていた時代だった。
 今思うと隔世の感があるけど、ほんの二十余年前の話だ。)
A夫人は一回り以上年が離れていて、色白で目のぱっちりした
お人形のようにかわいい人だった。二人の間には女の子が生まれた。

ところが、女の子がまだ3つか4つぐらいの頃、Aさんは事故であっけなく亡くなってしまった。
いい意味で坊ちゃん気質だったAさんは誰からも好かれており、友人たちに
「あんなにがんばって闘病したのにあっさり事故で死ぬなんて」と嘆かれた。

残されたA夫人(以下Bさん)はその後何年か娘さんと二人で暮らしていたが、
やがてC男と再婚した。Bさんはまだ若く再婚自体は責められる話ではないのだが、
どうもC男があまり素性のよろしくない男だったらしく、A本家もBさん実家も猛反対したと聞く。
それでも最初の何年かは3人で仲良く暮らしていたようだが、C男の実子が生まれた頃から
まあ良くある話だろうが、A子ちゃんとC男の折り合いが悪くなりすったもんだの末、
A子ちゃんはA本家に引き取られた。これでBさんは完全にA家から絶縁となった。


25本当にあった怖い名無し:2013/02/23(土) 07:37:52.28
ここから先は噂話の又聞きなのだが、
A子ちゃんがA本家に戻ってからC一家の家計は急速に悪化したのだという。

C男は知らなかったらしい。Aさんが死んだとき、Bさんは相続放棄して(…させられて?)、
Aさんの遺産の相続人はA子ちゃん一人だったことを。
Bさんは夫の遺産で悠々と暮らすマダムに見えていたかもしれないが、
実態は経済的にはA子ちゃんに養われてる状態だったということを。
この件についていろんな噂が乱れ飛んだが、結論だけ言うと、B・C夫妻は離婚した。
Bさんが生まれ育った町を引っ越していって十余年、Bさんの消息は誰も知らない。
(まあ実家の人は知ってるんだろうけど、黙して語らないそうだ。)

一番可哀想だったのがA子ちゃんで本家のご隠居(今は故人)に
「この子の母親はふしだらで云々」とdisられて育った。
そんな彼女も数年前に県外の人と結婚した。最近子供が生まれたそうだ。
うちはA子ちゃんの元同級生経由で聞いたのだが、里帰りは一切していないようだ。

そんな田舎町の後味の悪い話。