LAW & ORDER/シーズン4第9話「片隅の少年たち」
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634:本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 04:30:32.11
- 「Law&Order」シーズン4第9話 「片隅の少年たち」
見たのが大分前なので、間違っている部分もあるかも。
ちなみに「性犯罪捜査班」でも「心理犯罪捜査班」でもなく、
ただの「Law&Order」というタイトルのドラマね。路上で、少年がボコボコに殴られ、死亡しているのが発見される。
発見者はホームレスへの援助活動を行っている男性で、
ちょうどその活動の最中だったこともあり、
当初は少年もホームレスかと考えられていた。だが解剖してみたところ、胃の内容物は新鮮な野菜。
ホームレスが口にするとは考えにくい。
「被害者はちゃんとした家庭の子だろう」という監察医の言葉から、
刑事は失踪届けを探してみるが、該当者がいない。
だが少年が持っていた通学定期から、あっさり身元が割れた。
近くの中学に通うジョンという少年で、ヤク中の母親とその恋人と暮らしていた。教えられた住所に行ってみたが、いたのは母親の恋人のザックという男性だけ。
調べたところ、母親はヤクが原因でリハビリ施設に入り、
息子のジョンは児童相談所に保護されていると判明。児童相談所からジョンが現在預けられている里親を教えてもらい、
今度はそこを訪ねると、里親は
「ジョンはここで預かっている別の二人の里子、アンディとクリスと一緒に夕食後
映画を見に行って、それきり戻って来なかった」と言う(探せよ)刑事がアンディとクリスに話を聞くと、二人は
「ジョンとは映画のあとで別れた。母親の恋人の悪口を言っていた」と話す。
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635:本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 04:31:18.87
- 刑事たちはザックを疑うが、調べたところ、彼にはアリバイがあった。
更にザックの現在の彼女から
「その日の夜は私が一人で家にいた。そうしたら子供たちが鍵をこじあけようとしていて、
私に気づいて逃げていった。その中にジョンもいた」という話が聞ける。
アンディとクリスは嘘をついていたのだ。刑事たちは両方の少年を呼び出して、別々の部屋で問い詰める。
問い詰められた結果クリスは逆ギレして話にならなかったが、
アンディは少しおどすとあっさり口を割った。
ジョンの案でザックの家に空き巣に入ろうとしたのだが、計画は失敗。
クリスとジョンが口論になり、
キレたクリスがジョンをボコボコにして死なせてしまったのだった。クリスは逮捕されて起訴されることになるが、
ここでクリスの担当弁護士が文句をつけてくる。
クリスは未成年だから家裁で裁くべきだというのだ。
ちなみにアメリカでは、殺人など凶悪な犯罪を犯した者は、
未成年でも成人と同じように地裁で裁くことができる。
(訳では「高位裁判所」となっているが、役割を見た感じでは地裁とほぼ同じ)
なおこの場合、刑に服す場合も、刑務所で成人の囚人と一緒に刑に服させることができる。検察は人を殺したのだから成人として裁くというが、
弁護士はクリスはかわいそうな子だから、更生のチャンスを与えてほしいと主張する。
担当判事が子供の人権にうるさい人間ということもあり、
検察は突っ込まれないよう、クリスの過去を調べることにした。その結果わかったのは、
クリスの母は息子に売春を強要するようなどうしようもない人間で、
話を聞きにいっても、だらけた態度で
「でもしょうがないし」みたいなことしか言わない、ということだった。一方で、クリスは以前にも武装強盗が原因で少年院に入ったことがあり、
しかもその時、ちょっとしたことでキレて別の少年を袋叩きにしていたことも判明する。
こういったことから、クリスは成人として裁かれることになった。
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636 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 04:32:32.53
- ところが、ここで弁護士がトンデモな理論を持ち出してくる。
クリスのキレっぽさは遺伝が原因
(父親が暴力事件か何かで刑務所に入っている)なので、彼に責任はないというのだ。
彼はそもそも染色体が異常(確かY染色体が多いとか、そんな感じ)なのだから、
キレて暴力を振るっても、それは遺伝子がやらせているので、彼に責任はないのだと。検察は唖然とし、そんなバカげた主張を法廷でさせるべきではないと判事に訴えるが、
判事は「まったく根拠がないというわけでもないし、陪審に判断させる」
という決断を出してしまう
(あくまで法廷でこの話をして弁護していいという許可をもらっただけで、
主張しても陪審に「その主張には根拠がない」と思われる可能性もある)弁護士はクリスの母を証言台にあげて、
クリスがいかに手のかかる子供であったということや、
家系に異常者や犯罪者が多かったということを話させる。
遺伝のせいで生まれた時からおかしくて、いくらしつけをしても無駄、
夫が殴っても無駄、この子の暴力癖はどうしようもないんです。
なんでこんな悪魔みたいな子が生まれてしまったのかしら、そんな話を母親は延々と話す。
こんな話を聞かされたら、陪審はクリスに同情するだろう、と思ってしまう検事。ところが母親の証言を聞くうちに、クリスの表情からふてぶてしさが消え、
次第に絶望の表情になっていく(この辺りは演出が細かい)
そして次の日、弁護士を通じて検事を呼び出したクリスは、
「もうこんな裁判終わらせたいから、自分をとっとと刑務所にぶちこんでくれ」
と言うのだった。
唖然とする検事と弁護士。検事がそれでいいのかと尋ねると、クリスは
「自分はどうせ化け物。えらい学者の先生はそうだってしきりに主張するし、おふくろもそうだ。
自分は生涯治らなくて、まともな人生は歩けない。なら、似合いの場所に行く」
と答えるのだった。
この事実に検事はショックを受ける。
自分たちがクリスの血筋がいかに悪いかを主張したせいで、
クリスは人生に絶望してしまったのだと。これは自分のせいだとひたすら落ち込む検事に、
上司は冷たく「それが我々の仕事だ」と言うのだった。
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637 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 04:41:26.51
- その後も検事や弁護士はあれこれ言うのだが、クリスの意志は固く、
有罪を認めることで話はまとまる。
刑務所行きでいいと主張するクリスに、検事は十八までは少年院で過ごし、
残りの刑期を刑務所で務めさせることにする。
少しでも更生の可能性があるのならそれを信じたいと。
だがクリスは「無駄だよ」と、冷めた目をしていた。えーとさ……これ、検事のせいじゃなくね?
遺伝子がどうとかいう主張持ち出したのも、
クリスの母親を証言台にあげて色々喋らせたのも弁護士じゃん。
なのになんで弁護士は反省してなくて、検事の方だけが悔やんでるの?エピソード自体はよくできているんだが、
弁護士にまったく反省する気配が見えなかったのがすごく後味悪い。
そして、クリスの母親が息子にたいしてかけらも気遣いを見せず、
ひたすら「私悪くないもん」だったのも後味悪い。
この人たち、この先もずっとこの調子なんだろうな……。
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640 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 11:47:12.05
- >>634
ドラマの中では実際どうなのか分からないけど、
途中からクリスの身の上が中心で殺されたジョンが完全に空気になってるのが後味悪い。
634の感想にもジョンのことは欠片も出てこないし。
クリスがジョンを殺めたことを反省してるようには読み取れないから、
検事がクリスのことばかりで思い悩んで後悔してるのが尚更気分悪い。
被害者はそっちじゃないだろうに。
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644 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 18:47:03.29
- >>640
634です。裁判のシーンに入ってから、ジョンのことはほとんど出てこなかった。
一応、検事が
「死んだ子も同じ年齢だ。少年だから軽い処罰で済ませるというわけにはいかない」
と弁護士に言うぐらいで。ジョンの母親はヤク中、父親は不明。
母親の彼氏は当然ながらジョンがうざい。
(ジョンがこいつのところに空き巣に入ったのはそれが原因と思われる)
里親はいい人なんだろうけど、
この手の人特有のダメっぷりがチラホラ。作中でジョンの死を本気で悼んでいた人は、
最初の方に出てきた学校の先生(刑事が話を聞いた人)ぐらい。
こうして考えると本当にやりきれないエピソードだ。
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653 :本当にあった怖い名無し:2013/03/22(金) 21:10:31.56
- >>644
むしろ、そこまで暴露しちゃってるのに、
母親が虐待とかでしょっぴかれないのが不思議