デンシャ
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403:1/3:2013/10/27(日) 12:33:48.80
- フリゲ「デンシャ」(製作者:小麦畑)
主人公の男の子は、電車のなかで眠りに落ち、気が付くと異世界の電車の中にいた。
このゲームでは車両ごとに数字の書かれたプレートがあり、
それを裏返したり回転させたり別のプレートと交換したりして車両(別空間)を行き来する。
そしてプレートに書かれた数字は、主人公の祖母の年齢を表している。主人公は電車のステージ、アイテムや会話、どこからか聞こえる祖母の声を頼りに、
祖母の一生をたどってゆく。(祖母=私)
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404:2/3:2013/10/27(日) 12:35:02.21
- 私は幼少期を南国で過ごし、赤い花を好きになった。
母とともにマラリアにかかって日本へ帰国。そのあと母は病死。
第二次世界大戦が始まって父が出兵し行方不明になった。
父の形見は真珠のネックレスだが、1粒だけどこかへ行ってしまった。やがて私は終戦という名の世界の終わりを知り、世界はこれからも続くのだと実感した。
戦後は学校へ行き、特需景気で歯車のごとく働き、高度経済成長を目の当たりにした。
夫とも出会い、娘(主人公の母)が生まれたが、
のちに夫を千日デパート火災で亡くし、娘を養うため工場で労働する日々へ。
終戦を経験していたから、彗星が降って地球が終わるというニュースにも動揺せず。バブルのころ、娘が結婚したが
形見のネックレスの真珠が欠けていたから娘に贈ってやれなかった。
娘は私とは違い、黄色い花が好きだった。
娘に気に入らないことをたくさんしてしまった。やがて主人公が生まれた。
私がいなくなっても、世界は続いてゆくのだろう。
娘が生まれたときと同じようだ。ありがとう。ありがとう。
私はもうこの世界にいない。合言葉は「サヨナラ」。
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405 :3/3:2013/10/27(日) 12:36:06.63
- 主人公はときどき、モノノケに遭遇し、何らかのヒントを授かる。
赤い花・黄色い花、ウェディングドレス、真珠のネックレスといった思い出の品や、
南国のジャングル、機械うごめく工場、燃え上がるデパートといった場所を探す。祖母は、真珠の欠けていたネックレスを娘に渡せなかったことを唯一後悔していた。
主人公が欠けた真珠をネックレスに戻し、最後の年(祖母の享年)の車両へ向かうと、
祖母の記憶がすべてつながりフラッシュバックする。
最終ステージで祖母は仮装場(実は火葬場)を渡り、モノノケに導かれるように昇天。主人公が目を覚ますと、そこは現実世界の電車の中だった。
主人公は父と一緒に、祖母のいる病院へ見舞いに行く途中だったが、
たったいま祖母が遠いところへ旅立ってしまったのだと悟った。最初このゲームやったときはめちゃくちゃ泣いた。
祖母はどんだけ報われない人生を歩んできたのかと
家族が死に目に会う前に、一人で静かに逝ってしまったのも悲しくて仕方なかった。
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407 :本当にあった怖い名無し:2013/10/27(日) 16:00:06.98
- 製作者聞いたことあると思ったら『冠を持つ神の手』と同じ人か