血で染めたドレス(倉橋由美子)
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535:1/3:2014/03/15(土) 10:10:30.36
- 倉橋由美子「血で染めたドレス」
舞台は古代ギリシャ。
哲学者の弟子の青年が師匠の令嬢に惚れたが、令嬢は全然気づかない。
真っ赤なドレスがほしいわ、血で染めたような真っ赤なドレスが♪
と話しているのを聞いた青年だが、貧しくて買えない。
青年は幼なじみの唖娘に自分の不甲斐なさを愚痴るのが日課だった。
唖たから余計な事を言わず、愚痴のはけ口にちょうどよかったのだ。娘は青年に恋をしていた。
愛する人の願いを叶えてあげたいと、娘はある女神に祈った。
すると女神が現れ、お前の願いを叶えてやるにはお前はひどく苦しまねばならぬ、覚悟はあるかと冷たく訊ねる。
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536:2/3:2014/03/15(土) 10:12:43.59
- 血で染めたような真っ赤なドレスを作るにはお前の血が必要だが、と訊かれた娘は、覚悟はできております、と心の中で答えた。
糸玉を取り出した女神は娘の心臓に糸を通し、娘の血で染めた糸で布を織り、娘は苦しみながら死んだ。女神は、人間はどうせギブアップするだろうから、釣り合わぬ恋はやめろと諭し傷を治してやるつもりだった。
だが娘は青年を愛していたし、女神は恋の女神ではないので恋愛を理解しなかった。女神は娘に化け、血で染めた布で仕立てたドレスを青年に差し出した。
青年はドレスをひったくると、ろくに礼も言わずに令嬢の所に駆けていった。
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537 :3/3:2014/03/15(土) 10:14:28.57
- 嬉々としてドレスを捧げる青年に、令嬢は冷たく吐き捨てた。
「何これ変な色。それに何だか臭いわ。ダサいし」
腹をたてた青年はドレスを捨て、もっと美人で気立てのいい娘がいる哲学者に弟子入りしよう、と誓った。
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538 :本当にあった怖い名無し:2014/03/15(土) 12:18:10.12
- >>535
女神が染めたからちゃんとした赤に染まってるのかと思ったら血の色と臭いそのままかい。なんてダメな女神。なぜそんなのに祈ったのか。。
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539 :本当にあった怖い名無し:2014/03/15(土) 12:30:07.26
- なお元ネタは
オスカー・ワイルド「ナイチンゲールとバラ」の模様
この中のナイチンゲールを擬人化した話
いや、むしろオスカー・ワイルド自身が女をナイチンゲールに見立てたというべきか
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540 :sage:2014/03/15(土) 13:05:39.93
- オスカーワイルドの話の方が好きだ
好きな人には悪いけど、倉橋由美子って他人の作品の焼き直しが多いね