2300年未来への旅
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350 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/09(木) 00:56:22
- 2300年未来への旅
70年代によく作られたディストピア物映画(理想郷が実は・・・って奴)のひとつ
過去スレにあった年齢制限社会ネタのひとつでもあるんで書いてみます1/3
23世紀、汚染やら何やらで絶滅しかけていた人類の生き残りは「ドーム」を造り
出生から死まで完全に管理されたハイテク社会に引きこもって楽しく暮らしていた。
制約はただ一つ、人口調整のため30歳までしか生きられない事。
住人の手の平にはランプが埋め込まれていて、これが点滅しだすとタイムリミット。
そうなると「新生の儀式」を受けて消滅しないといけない。
みんな儀式で消滅した人間はまた生まれ変わると信じている。
もちろんそれに疑問を抱いてドームから逃亡を図る者も出てくるが、
逃亡者はサンドマンという特殊警察に抹殺される掟になっている。
新生を信じている側からすれば、生まれ変わりの可能性をむざむざ捨てる
逃亡者は理解できない存在だ。主人公はサンドマンの一人。逃亡者狩りをスポーツみたいに楽しむ一方で
新生の儀式に多少の疑いも持っていて、それを同僚にたしなめられたりもする。
ある時、始末した逃亡者が持っていた奇妙なアンクをコンピュータに見せると、
これは「隠れ逃亡者」のシンボルで、大勢の逃亡者が彼らの手引きで
ドームの外にある「聖域」という場所に逃げていると告げられる。
新生せずに生きているらしい人間の存在や、
何もないと教えられてきたドームの外にあるという場所に驚く主人公に、
更にコンピュータは逃亡者のふりをして聖域に潜入し破壊しろとの極秘命令を下す。
主人公がまだ30歳になってないので逃亡する理由がないと返すと
「調整します」のひとことでいきなりランプが点滅を始める。
任務が終わったら戻してくれますよね?と尋ねても答えは無し。
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351 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/09(木) 00:57:45
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主人公は偶然出会っていた女性が逃亡者と同じアンクを身に着けていた事を思い出し、
彼女に会って逃亡の手引きを頼む。
女性はサンドマンが逃亡するはずがないと最初は拒むが、
主人公が逃亡者を見逃すのを見て信用する。
一方それを目撃した同僚は、逃亡者を殺し主人公を追い始める(任務の事は知らない)。
ドームの地下にある隠れ逃亡者のアジト(聖域ではない)に案内され来た主人公。
主人公がこっそり場所を知らせていたせいでサンドマン部隊が突入してきて
アジトは阿鼻叫喚地獄になるが、主人公と女性だけは逃げ延びる。同僚は後を追う。地下通路を渡ってエレベーターを上るとそこは氷の洞窟。
寒さに凍えていると一体のロボットがやって来る。
ロボットに案内されて洞窟の奥に行くとそこでは逃亡者たちがみんな氷漬けにされていた。
ロボットは魚やプランクトンを獲って貯蔵していたんだが、それらがいなくなって
困っていた所に逃亡者たちがやって来たので替わりにしていたらしい。
主人公たちも氷漬けにしようとするロボットを倒して外に出るとそこは一面の荒れ野。
手の平のランプを見ると光が消えている。ドームのコントロールの外にいる…自由だ!山を越え川を渡り歩いていくと遠くに高い塔や街らしいものが見えたので、
あれが聖域に違いないとそこに向かう二人。辿り着くとそこはワシントン市の廃墟。
リンカーンの像を見て「これが老人と言うものか」なんて感心したりする一行だが、
そこにはドームの外で生き延びていた人間の最後の生き残りらしい独りの老人と
大勢のネコがいるだけだった。聖域なんて存在しなかったと悟る主人公。
追ってきた同僚を返り討ちにした後、みんなに事実を知らせようと決意する。
道中、老人からは建物からネズミがいなくなった事や川に魚がいなくなった事、
結婚や埋葬などドームでは失われていた制度の事などを聞かされる。
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352 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/09(木) 00:59:00
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ドームに戻った主人公はあっさり捕まり、コンピュータに尋問を受ける。
しかし聖域は無い、逃亡者はみんな氷漬け、等等の事実を受け入れられない
コンピュータは何故か暴走、隙を見て戒めを解いた主人公はコンピュータを破壊。
すると機能の狂ったドームが崩壊し始める(脆っ)。
爆発するドームから逃げ出した住人たちは外で待っていた老人に出会い、
これから新しい世界が始まるんだって感じで終わり。最初に書いた通りディストピア物なんで、似非ユートピアをぶっ壊して
人間本来の姿を取り戻してハッピーエンド・・・と言いたいんだろうけど、
魚も獣もガンガン絶滅していってるらしい世界で
管理されて暮らしてきた数千の住人が生きていく事なんて出来るのか?
主人公は「30歳を過ぎても生きられるんだ!」ってアジってたが
病気や飢餓で多くが30歳前に死んでしまうんじゃないか?
とあまりに能天気な投げ出し方が後味悪かった訳ですよ。調べてみるとどうもドームは汚染された世界が回復するまで人類を隔離する施設らしくて
そうすると漫画版ナウシカに近い展開(影響与えてる?)なのかもしれない。
あれも予定された未来を全部ぶち壊して、絶滅のリスクを犯してでも
自分らの力で生きていく、みたいなラストだもんな。
でも自分のやってる事の残酷さを理解してたナウシカと違って
こっちの主人公はその辺を全然悩まないんだよな・・・