月の子(清水玲子)
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464 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/17(月) 16:04:39
- 姉が持ってた長編少女漫画が後味悪かった。
話自体がドロドロしてるっていうんじゃないんだが。
タイトルは月の子。作者は忘れた。舞台は1980年代の、多分アメリカ。
主人公はダンサー志望の青年と、
彼のアパートに転がり込んできた身寄りのない小さな子供。
名前はジミー。
この子供は一見10歳くらいの男の子なんだが、
満月の夜に16歳くらいの美少女に変身したり、
不吉な事故を予見したりする。
実はジミーは人間ではなく人魚の姿をした宇宙人で、
宇宙を泳いで渡り歩き、
数百年に一度の周期で生まれた星に戻ってきてはその星で卵を産む種族。
(その時期に女性化でき、同種と交配できた者だけが卵を生める)青年とジミーは、まあいろいろあって親しくなっていく。
それと並行して、ジミーと一緒に地球に戻ってきた兄弟達や、
宇宙人仲間の話も綴られていくのだが、怖いのがクライマックス。
殆ど女性の姿で定着しつつあるジミーが青年への想いやなにやで悩む中、
例の不吉な夢に現れたのは、作中で明示こそされないものの明らかにチェルノブイリ。
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465 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/17(月) 16:05:08
- ジミー達とその仲間はそれぞれ事故を止めに行く。
そして数々の犠牲を経て、原発事故を阻止する事に成功する。
ジミーと青年の恋も成就する。
(ただ、姿は10歳に戻ってしまい、そこから人間としての人生をやり直す形)エピローグで、彼らの幸せそうな姿と共に、年表が流れる。
細かいところは忘れたが、その世界では原発事故が起こらなかった1986年以後、
戦争はすべて回避され、国交は軒並み回復の兆しをみせ、地球環境は守られている。
そして1992年を迎える今、人類が月に移住する計画が順調に進んでいる。
しかし妙齢の女性に成長したジミーは未だに悲惨な夢を見る。
青年がそれを慰めて、「それはただの悪い夢だよ」と言う。
話的にはハッピーエンドだが、
読者はどうしても気づかされてしまう。
彼女が見る夢は、原発事故の起こってしまった後の地球。
お仕着せのメッセージみたいなのは好きじゃないし、
話が長すぎてちょっとダレたりもしたんだが、
その終わり方が絶妙すぎて、芯が冷えた。
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466 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/17(月) 16:10:30
- 作者は清水玲子だよね。
「月の子」途中まで読んで挫折したけど、
そんなラストだったんだ。