クラゲになった娘

986 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/07/20(木) 22:39:14
後味悪かった谷間夢路(だったかな?)のコミック。細部はちょいウロ。

プロローグは、浜辺に集まる人々のシーン。全身がクラゲ毒で腫れ上がった、
バケモノみたいな若い男の死体が打ち上げられたのだ。「まただ」「何てひどい…」みたいな会話。

さてある美青年が、その浜に近い崖上にある、大きなお屋敷にやってくる。
そこの身体の弱い少女のため、住み込みで家庭教師となるためだ。
お給金は良いし、少女は賢く美しい。すぐうち解ける二人。父親も親切で優しい。
だが少女は寂しそう。病弱という理由で一歩も屋敷から出してもらえず、
友人もいないのだ。同情する青年に、少女は自分を連れて逃げてと頼む。
自分は病気などではない、父親が自分を愛しずぎて離さないのだという。
変態親父なのか?と勘ぐる青年。
そんなある日、深夜に会話が聞こえ、いぶかしんで部屋を出てみる青年。
声は風呂場からだった。
のぞいてみると、全裸の娘に父親が覆いかぶさるようにして、
娘の下半身を洗ってやっている。丁寧に、嘗めんばかり。
そして、どこにも行くな、お前を愛しているのは私だけなのだ……
みたいな声。
「やっぱり変態か! やめろ!」と飛び込む青年。
だかそこで青年は、驚くべきものを目にする。


987 名前:986つづき 投稿日:2006/07/20(木) 22:40:55
なんと娘の腰あたりから下は、ぶよぶよと透けたゼリーのようになっており、
動いている内臓が透けて見えていた。驚愕する青年、泣き出す娘。
父親があきらめて説明するには、娘は海で泳いでいた時、
ある特殊なクラゲに刺された。本来は腫れ上がって死ぬ所だったが、
娘は体質的なもので命は助かった。だがその毒で、身体がどんどんクラゲ化していく事になった。
医者にも見せたが、現代医学では治せないと言う。
娘は外に出たがって青年を誘ったかもしれないが、所詮、外では生きられない。
あきらめてくれ……と父親。だが気味ワルがって逃げ出そうとする青年に、
悲しんだ娘の腹から触手が伸びる。触手は青年を襲い、巻き取っていく。
青年は身体はクラゲに毒に刺され、次第に腫れ上がっていく……。
父親は青年の身体を海に捨てる。これまでの家庭教師と同じように。
また浜辺には死体が上がる事だろう。

何ヶ月か後、窓辺から、寂しそうに海を眺める少女の後ろ姿。
少女につらそうに近づく父親。父親は言う。
どんな姿になっても、私はお前を愛していると。
振り向いた少女の頭部に、もう顔はなかった。
進行したクラゲ化は、ついに全身に及んでしまったのだ。
ゼリー状のぶよぶよの中に骨格や筋肉が透けて見えている。
そして血走った少女の眼球からは、一筋の涙が流れているのだった。