現代百物語シリーズ(岩井志麻子)
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923 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/14(月) 23:35:19
- 岩井志麻子の「現代百物語」の一編。実話。
志麻子が「チャイ・コイ」をあて、鰻登りに評価を上げていた頃のこと。
ある出版社が志麻子の密着取材を企画し、一人の女性編集者を派遣してきた。
その編集者に対する第一印象は、「少女漫画に出てくる女子校の女教師」。
仕事が出来そうに見えるが、モテそうにはないタイプだった。
それから暫く行動をともにしたのだが、その間の関係は可もなく不可もなく。
志麻子は普通の応対をしたつもりだった。
しかし、志麻子曰く「調子に乗っていた」時期でもあったから、
知らず知らずの内に彼女を不愉快にさせたのかもしれない。ある日のこと。
志麻子は男友達にねだって、受賞記念パーティをホテルのスイートで開いてもらった。
参加者は志麻子と編集者を除き、全て男の逆ハーレム状態。志麻子は女王様気取りでウハウハやっていた。
そして盛り上がっている最中、編集者が志麻子にある提案をした。
パーティには「チャイ・コイ」でもモデルになったベトナム人の愛人がいたのだが、
その愛人にインタビューさせてくれと言う。
志麻子が了承すると、編集者は愛人を連れて隣の部屋に籠もった。それから暫くして。
インタビューを終え、愛人と編集者がパーティに復帰する。
自然の成り行きとして、志麻子は訊いた。「彼(愛人)はあたしの事何て言ってた?」と。
すると編集者は満面の笑みで答えた。
「志麻子はブスで下品だけど、金持ちだから仕方なく付き合っている」
空気フリーズ。志麻子ポカーン。日本語のわからない愛人だけがニコニコ。
男友達が機転を効かして話題を変え、志麻子もそれに乗り、何とかパーティは盛り返した。
パーティの後、志麻子は件の暴言を編集者自身の言葉だと捉えた。
たとえ愛人が本当に志麻子をブスだなんだと思っていても、志麻子の耳に入る形で言うとは思えないからだ。
志麻子は出版社に直訴し、貼り付く編集者を変えてもらった。
面倒なので、理由は「志麻子の我が儘」としておいた。
編集者は大喜びで撤収していったという。仕事上のリスクを越えてまで「ブス」と罵りたかった女の執念、怖くて後味悪い。
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924 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/14(月) 23:46:39
- 岩井志麻子のキャラ的に、無理も無い気はするw
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925 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/14(月) 23:54:12
- >>923
それはどっちもどっちじゃないかな…
つか岩井志麻子の方がやり口がエグい。根に持ってるから、そーやって登場させたわけだ。
しかも小説のエピソードに練り込むんじゃなく、実話として晒したんだよね。
出版されるってことはネットに晒されるのと似たようなものだ。ずっと後まで残る。
当時を知ってる人たちには編集者が誰か想像つくだろうし、
相手が反論しようのない「出版」って手口使うあたり陰険すぎる。
事実が違った場合は編集者は、職を失う覚悟で裁判起こすしかない。実際、どこまで事実かわからん。
その話を要約すると、「調子に乗ってて不快にさせたかもしれない、
大勢の前で恥をかかされたけど、自分のワガママって形で縁を切った」と
なんか岩井志麻子が被害者っぽく読めるしさ。
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927 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/15(火) 01:13:05
- >>925
おそらくはベトナム人は本当にそう言ったんじゃないかな。
それを聞いて大喜びで志麻子に伝える編集者。志麻子としては愛人がそんなことを言うとは信じられず、
編集者の本音と思いたかったのだろう。
そっちならまだ心が耐えられるしね。
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928 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/15(火) 06:29:34
- 結局、後になってベトナム人捨ててるしね。
元内縁の韓国男も。そいつと並行して付き合っていた中国男も。
理由は全員「当たり前みたいな顔してどんどんたかってくるから」ダメになりやすい男を見抜いて籠絡する・ダメになったら被害者顔して捨てる。
そういうタイプの女なんだと思う。
真面目で高学歴、でも文才はなくて自分自身が作家になる事は叶わなかった・・・なんて
タイプの編集者だと、イライラするんだろうな、そういうの。