ホーム » 小説 » 小説/た行 » 手斧が首を切りにきた(フレドリック・ブラウン)

27 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/20(日) 07:20:55
内容うろ覚えだけど、『手斧が首を切りに来た』という海外小説。

マザーグースの、「ろうそくがお前のベッドを照らしにきた、
そして手斧がお前の首を斬りにきた」という歌詞がある童歌がモチーフになっている。

主人公は、両親を早くに亡し
地元ファミリーのボスの下で使い走りをしている不良青年。

そんな主人公の住むアパートに、地方の農場から
絵に描いたような野暮ったい幼げな田舎娘が引っ越してきた。
田舎娘は、一度街の暮らしがしてみたいということで
叔父の食堂のウェイトレスとして働くことを条件に両親の許しを得ていたが、
そのうち再び田舎に戻って平凡な結婚をし農婦におさまるであろうタイプだった。
化粧をしてウェイトレスの制服を着ると、少しは垢抜けて見え
主人公は冗談半分にデートに誘ったりするが、
自分には一生縁がないクソ真面目な世界で生きる少女だなと思っていた。

ある日 主人公は、ボスの命令で別荘に囲っている情婦への遣いに行った。
セクシーなお姉様といった感じの情婦は、オッサンなボスには飽き飽きだと言って
若い主人公を誘惑してくる。ボスの女に手は出せないからと主人公は受け流すが、
露出の高いセクシーな美女に迫られて内心ちょっとドギマギしている。


28 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/20(日) 07:22:29
その後、からかい半分で約束した田舎娘とのデートの約束を実行することになり、
現れた田舎娘は 一応マナーには適っているが流行遅れの古くさいドレス。
主人公は一瞬( ゚Д゚)ポカーンとなるものの、気を取り直して一緒に食事をすると
会話の受け答えなどはそれなりに聡明で気が利いていて、馬鹿娘という訳ではなかった。
単にイマドキの世間慣れしていないだけで、根は良い女だと好意的に思う。
少女も、なんとなく青年に惹かれていく。

食事中、主人公はふとテーブルの蝋燭が気になり、消してもよいかと尋ねる。
主人公は幼い頃、父親に教えてもらったマザーグースの唄が怖くて
夜 蝋燭を持った手がドアを開け手斧で襲い掛かってくる夢にうなされ眠れず、
ふと夜中に目を覚ますと父親の姿が見当たらなかったために泣きながら表をうろつき
夜回りの警官に保護された。住所や親の所在などを訊ねられるも、寝ぼけまなこで
眠る前に父親の会話から耳にした映画館の名前を意味もなくポロッとこぼす。
警官がそのオールナイトの映画館に連れて行ってみると、
そこでは父親が仲間と銃を持って強盗の最中で、主人公は警官の盾にされ
息子へ銃を向けられずにひるんでいる父親を目の前で射殺された。
以来、そのショックと蝋燭を持った手がドアを開くイメージとが結び付き
蝋燭の灯がトラウマになっていた。
ちなみに、その後 女手一つで主人公を育てていた母親は、学生時代に死んだ。


29 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/20(日) 07:24:09
実直な主人公はボスに見込まれ、店舗押し入りや強盗での資金集めなど
徐々にランクの上がる仕事を任されて犯罪の道を進んでゆく。
殺し屋っぽい冷徹な新参の年上部下をコンビに当てがわれ、
本格的にギャングの生活へどっぷり浸かっていきつつあった。

そんな中、例のセクシー情婦が主人公のアパートを訪ねて来た。
あんたも男でいっぱしの野望を持つなら、ボスを殺し
その地位に成り代わって私を手に入れてごらんなさいと色仕掛けで唆かす。
ちょうどその時、隣の田舎娘も約束していたミートパイを作って部屋を訪れ、
主人公と情婦のツーショットを目撃してしまう。
美女と主人公が恋仲だと誤解した田舎娘はショックで部屋を飛び出した。

数日後、田舎娘の部屋に別の住人が入居してきているのを見て大家に尋ねると、
少女はこの部屋を引き払ったのだと告げられた。
それを聞いた主人公は、拳銃を手にボスの家へ飛び込む。
拳銃を突きつけ、射殺するのかと思ったら、撃たずに脅し
自分はこの世界から足を洗うつもりなので後を追うな、という約束を取り付ける。
主人公が屋敷を出た後、怒ったボスは主人公を殺すようコンビの殺し屋に言うが、
殺し屋は「あんな小者は捨て置きましょう」とボスを宥める。
実は、裏で情婦と組んで主人公をヒットマンに仕立て上げ
ボスを葬り去ろうとしていた黒幕はこの殺し屋だったが、当てが外れたのだ。


30 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/20(日) 07:26:41
ボスの屋敷を後にした主人公は、食堂の叔父に詰め寄り少女の居場所を問う。
善良な小心者庶民の叔父は前々から素行の悪い青年を忌避しており、
はぐらかしながら主人公の隙を見て「拳銃を持った若者が姪の居場所を教えるよう執拗に迫る」
と警察に通報した。ボスの屋敷から直行した主人公の服の内側に
隠し持ったままの拳銃がチラ見えしてしまっていたのだ。
舌打ちして食堂から逃げ去る間際、机上に娘の字で届いた手紙の住所が見えた。

主人公は、手紙に書かれていた仮住まいの安ホテルへ娘を訪ねた。
そこで ファミリーからは足を洗った、俺が農夫になると告げ、娘にプロポーズする。
娘もそれを受け入れ、風になびく黄金色の穂波や、子犬のように転げ回る子供達
といった夢を二人で語らいながら、甘美な夜を過ごした。
電気を消して、と恥らう娘に、それじゃ何も見えないよと主人公は返し、
じゃあこれくらいならいいだろう?と枕元の蝋燭に灯を点ける。
蝋燭は苦手じゃなかったの?と娘が問うと、ずっと昔の事にこだわったままでいたが
いいかげん現実を受け入れて恐れを捨てなければという気になった、と主人公は答える。

二人で眠りに就いた後、叔父の通報を受けた警官たちが居場所を突き止め現場に到着。
姪の安全を第一にと叔父から懇願されていたにもかかわらず、都会の荒っぽい警官たちは
それを無視して“凶悪犯”相手の強行突破のため鍵の掛かったドアを斧でガシガシ破り始めた。
唐突に大きな物音で叩き起こされ、蝋燭の灯りの中に浮かび上がる
乱暴に木のドアを壊して押し入ろうとする斧の刃が目に飛び込んだ主人公は、
追い詰めらた混乱で逆上して怯え、とっさに枕元の拳銃で彼女と自分を撃ち抜いて自殺した。
ドアを破って警官が部屋に突入した時、そこに転がっていたのは
“ウブな田舎娘につけ込んで手篭めにした外道チンピラ男”と
“都会に出てきたせいで悪い男の毒牙にかかるはめになった純情な少女”の
無惨な裸体の無理心中死体だった。


32 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/20(日) 15:06:34
うわっー。嫌な感じの終わり方ですね。

33 名前:本当にあった怖い名無し :2010/06/20(日) 15:22:18
無理心中の道連れだな
そんな男につかまった女が悪い
現実でも時々あるだろ
ああこの女の人はこの男と一緒にならなければ
こんな人生の終わり方をしなくてすんだのに・・とか 
子供を巻き込んだ一家心中とかはマジで後味悪い

 

手斧が首を切りにきた (創元推理文庫)
手斧が首を切りにきた (創元推理文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...