ブローニイ家の悲劇(曽祢まさこ)
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557 名前:1/2 :2010/08/25(水) 15:24:53
- 昔の少女漫画で曽祢まさこの「ブローニィ家の悲劇」
名門ブローニィ家の幼い息子ロビンは、屋敷の裏手に広がる深い森へと迷い込んだ。
そこで彼は、妖精のような美しい少女と出会う。そして数年後。
ロピンの家に、森で出会った女の子と生き写しの、リスベットという少女がやってきた。
森の少女とリスベットは共に黒猫を連れているという共通点もあった。
その事を話すとリスベットも興味を持ち、二人はあっというまに仲良くなっていった。
そんなある日、ロビンの姉ミラルダ(仮名)の婚約者が急死した。死因は毒殺。
すぐに警察の捜査が始まる。嘆き悲しむミラルダの元へリスベットがやってきた。
「私の事を覚えていない?」と語りかけるリスベットに、ミラルダはある人物を思い出す。
彼女には年の離れた姉、マリアがいたのだ。「そんな…姉さんは死んだはず…」動揺するミラルダ。同じ頃、ブローニィ夫人も警察からマリアの事を聞かれていた。
ブローニィ家では時々小人症の人物が生まれ、その者は疫病神とされ忌み嫌われていた。
マリアの成長が止まった事に気づいた一族から、マリアを追い出すように言われたが
ブローニィ夫人は、愛する娘を手放すなんてとんでもない!ただの迷信だとして聞き入れなかった。
しかし、赤ん坊だったロビンが原因不明の高熱にかかり生死が危ぶまれた時、
とうとうブローニィ夫人はマリアを追い出す事に同意してしまう。
マリアが出て行くと、途端にロビンの熱が下がり元気になった。
ブローニィ夫人はロビンが元気になった後もマリアを家に戻す気にはなれなかった。
昔、ロビンが森の中で会った少女はやはりリスベットであった。
マリアは成長したロビンに会いたくなり、ひと夏だけとの約束で父親に無理を言って
ブローニィ家へリスベットとして戻ったのだ。
そしてミラルダの婚約を知りどういう相手か調べる為、婚約者の部屋へ忍び込んだ。
そこで本の間に挟んであった粉薬を見つける。何の薬か分からぬまま、水差しに粉薬を入れ
その水を飲んだ婚約者は死んでしまった。粉薬は砒素だった。
ミラルダの婚約者はブローニィ家の主人を暗殺して家を乗っ取ろうしていたのだ。
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558 名前:2/2 :2010/08/25(水) 15:25:34
- マリアから話を聞いたミラルダは「あなたが彼を殺したのね!!」と叫び部屋から飛び出してしまう。
慌てて追いかけるも、ミラルダは足を踏み外し階段から落下。
騒ぎを聞いた家族や警察が集まる中、「マリアが彼を…」という言葉を残しミラルダは息を引き取る。
階段の上からそれを見ていたマリアは、驚愕の目で自分を見るロビンに動揺し、塔に続く扉に鍵をかけ登っていく。
ただロビンの笑顔が見たかっただけなのに、どうしてこんな事になったのだろうと涙するマリア。
これは悪い夢なんだ、目を開ければ暖かい家族がいる…早く目を覚まさなければ…と塔の上から飛び降りてしまう。
警察は全てを、マリアがブローニィ家に恨みを持ち復讐するために起こした事件だとした。ブローニィ家は一夜にして二人の娘を失った。
涙と花束に送られて死出の旅についた妹むすめ。墓地の片隅にひっそりと葬られた姉むすめ。
ともに大地へかえりゆく…妹の名前が思い出せず仮名です。
子供の頃に読んで、最期の姉妹のお葬式の対比が後味悪すぎて忘れられない。