部屋(うち)においでよ(原秀則)
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486 名前:1/5 :2010/09/24(金) 19:11:52
- 原秀則の漫画「部屋(うち)においでよ」 ドラマ化もされたっけ
W大学で写真部に入っているミキオ(20歳)と、ピアノ講師をしている文(25歳)は
ミキオのバイト先の小さなバーで知り合い、付き合うことになり、
文が住んでいた小さなアパートで同棲をすることになった。
2人には夢があった。ミキオはプロの写真家に、文はプロのピアニストに。
しかし、ミキオは大学の写真部では新入生に腕前が負けることもあり、
文も小さなピアノ教室で子ども達にピアノを教える日々だった。
それでも、お互いの夢を語り合いながら2人は幸せに暮らしていた。
ある時、文のピアノの腕前が偶然、音楽会社に認められることになり、
CDを出したりコンサートが開かれるなどして、文はプロのピアニストへの道が開かれていく。
最初は応援していたミキオは、文だけが成功し自分はパッとしないことに引け目を感じるようになり、
2人の暮らしがギクシャクしてしまう。自分のためにカメラの道を諦めかけていたミキオに対し、
このままではミキオが駄目になると思い、別れを切り出す。
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487 名前:2/5 :2010/09/24(金) 19:12:37
- 2人は一時別れるが、その後、ミキオは学生ながらアマチュアの写真コンテストで大賞を取るなど、
才能が開花してきていた。写真を撮る仕事ならどんな小さな仕事でもこなして場数を
踏ませるという事務所の方針のもと、ミキオは仕事に没頭することで文を忘れることができた。
その頃、文はピアノの仕事に行き詰まり、予定されていたCDの作成も滞り、スランプに見舞われていたが、
ミキオが成功していることは雑誌などを通じて知っていた。
数ヶ月後、偶然の再会をきっかけにミキオと文は付き合うことになり、文のアパートでまた同棲生活が始まった。
ミキオは相変わらず写真の仕事で多忙で、文もスランプから抜け出し全国ライブなどが計画され、
2人がかつて語り合って夢は成就することとなった。
これで今度こそ幸せになれると思っていた。
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488 名前:3/5 :2010/09/24(金) 19:13:18
- しかし、ミキオの仕事が多忙になるに従い、写真の仕事のために文のアパートだけでは狭くなり
ミキオは近くに部屋を借り、次第にその部屋に篭ることが多くなってしまった。
文もミキオと一緒にいたいと思いつつ、自分の仕事が忙しいためにそれもできなくなっていった。
ある日、ミキオが借りた部屋に行った文だが、ミキオは写真の仕事に没頭しており、
文の問いかけにも答えなくなっていた。そこで、もう文のことが重荷にしか感じなくなってしまったという
ミキオの言葉を聞いた文は「本当のことを言ってくれてありがとう」と言い、泣き崩れてしまった。
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489 名前:4/5 :2010/09/24(金) 19:14:37
- 後日、文のアパートから自分の荷物を全て引き上げにきたミキオに、
最後に玄関先で「忘れ物ない?」と聞く文だったが、ミキオは笑顔で無いと言った。
ミキオがサヨナラを言い、ドアを出ていくと、玄関の音が「ガチャン」と大きな音をたて、
2人の生活がとうとう終わってしまった。
ピアノの仕事のために引っ越すことにした文は、2人が初めて出会ったバーに行き、
マスターに別れの挨拶がてら自分の新作のCDをプレゼントした。
文は名残惜しそうに帰った後、マスターはそのCDを机に置き、隣に1冊の写真集を置いた。
写真集は同じく、文より少し早くマスターに別れの挨拶に来たミキオにもらったものだった。
二人の夢の結晶であるCDと写真集を並べて眺め「2人とも頑張れ…」と言うマスター。
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490 名前:5/5 :2010/09/24(金) 19:15:21
- 引越し当日、2人が暮らしたアパートの掃除をし終わった文だが、部屋を出ようとしたとき
ふいに2人の楽しかった生活が思い出される。しかしもう部屋は空っぽになっていた。
部屋を出て、車で新居に向かう文で物語は終了。作者はきっと綺麗な終わり方にしたんだろうけど、やっぱり最後は2人にはくっついてほしかった。
数年後、2人がもう少し大人になってまた出会って、今度こそ幸せになるというように
エンディングの先を勝手に脳内保管してます。