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236 名前:鳥のはばたき1/2 :2010/10/17(日) 10:19:47
TONO「鳥のはばたき」
長くなったんで分割します。

主人公は女子高生。
ある朝、主人公の姉(社会人)が毎晩鳥のはばたく音が聞こえると言った。
それは姉にだけ聞こえるらしく主人公は聞いたことが無かった。

学校では友人がそれは幸せの青い鳥だという。
姉はもうすぐ大好きな人と結婚するのだ。

帰りに主人公は病院に向かう。
母に会うためだ。
兄が亡くなった後、母は精神を病んで入院していた。
主人公姉妹が友人を連れてくるたび、母は友人を叩いて激昂した。
うちの子供たちは天使様だからあんたたちとは違う、
勝也は空を飛んだ、うちの子にはみんな翼があるんだから
あんたたちなんかとは付き合わない!

母には姉の事は言えない。
今でも友人を持つことを許していないのだから。

母が入院した後世話になっていたおば宅。
おばはそうでも思わないと長男が小3でビルから飛び降りて死んだことをやり過ごせなかったのだろうという。
不幸続きの家だったが、姉はこれから幸せになるのだ。主人公とおば夫婦は幸せそうに笑った。

その夜、姉は婚約者と食事をしていたホテルの屋上から飛び降りて死んでしまった。


237 名前:鳥のはばたき2/2 :2010/10/17(日) 10:22:41
泣き叫ぶ婚約者、ショックで声も出せずに泣く主人公。
姉は飛び降りる直前まで楽しげにこれからのことを話していたという。

その晩主人公は姉の夢を見る。
鳥のはばたきが聞こえる。
おねえちゃん、それは青い鳥がやってくる音よ。
ちがうの…あのはばたきは幸せが飛び去っていく音なのよ。
ほら、もう一羽もいなくなってしまった。
だからもう 私も おしまい。

姉を呼んで泣き叫ぶ主人公を起こしたのはおばだった。
夢よ、夢を見たのよ、そう言って正気づかせようとするおば。
おねえちゃんが鳥がはばたくっていうの 夜中にはばたくっていうの
でも家の中どこを探しても鳥なんていなかった どうして?
おねえちゃんはノイローゼだったの?!

おばは、一瞬呆然としてこう言った。
勝也が…同じこと言ってた…飛び降りる前に。
ずっと前に死んだ兄。
お前の父親も飛び降りた。自殺なんて信じなかったけれど…

主人公を寝かしつけて外したおばは回想する。
そう、姉(母のこと)が狂いだしたのは長男の時からではなかった。
「夫は天使だったのよ。だから私の子供たちもみんな天使なのよ」
夫の葬式の時からその兆候はあったのだ。
相手側の身内は一人も来なかった。皆、早くに亡くなったのだという。
「あのな、義兄さんの親戚ってな…全員自殺だって…しかも飛び降り」

そんなバカな、そんなことあるわけがない!
首を振って打ち消そうとするおばの後ろで
主人公の耳には鳥のはばたきが聞こえ始めていた。


251 名前:自治スレでローカルルール他を議論中 :2010/10/17(日) 23:44:36
>>236-237
なんていうか、比喩的なモチーフとして、
本当に精神病(統合失調症系の妄想症状)なのはむしろ父方の血筋で、
母親は単に、元は普通だったのに
そういう身内に巻き込まれて心身を摩耗した結果の発狂って感じに見える。

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