ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚(小林泰三)

334 名前:ΑΩ 1/3 :2010/10/22(金) 17:34:24
部分的に後味悪いのが小林泰三のΑΩ

長い話なんで、かなりはしょる。
太陽系のとある域にプラズマ生命体の一族がいた。
彼らは実体を持たないエネルギー生命体で、データの固まりで
精神を構築してる。その一族が「影」という存在に脅かされ始めたので、
「ガ」という1個体に「影」の殲滅を託す。

「影」は地球に逃げていったので、それを追って「ガ」も
大気圏内に突入する。そこへ日本の国内便が飛んでいて、
プラズマである「ガ」が接近しすぎたために、飛行機は
墜落してしまう。


335 名前:ΑΩ 2/3 :2010/10/22(金) 17:36:07
「ガ」は地球上ではエネルギーとしてしか存在できないので、
墜落した飛行機に乗っていて、死亡してしまった男性の体を借りることにする。
死体はぐちゃぐちゃに損傷されてたので、「ガ」はその細胞をあやつって、すべてを再生させた。
そのとき男性の脳も再生できたので、男性の人格もよみがえる。
「ガ」はその精神の一部に寄生して共存させてもらうことにする。
男性の名前は諸星隼人。

「影」は巨大な恐竜の形で現れて、町を襲いはじめた。
そこで「ガ」は隼人の細胞増殖をあやつって、巨大化し、
「影」と戦うのだが、すんでのところで逃げられてしまう。

ここまで話したところで、分かる人は分かると思うけど、
この話はSF版で、スプラッター風味の「ウルトラマン」。

それで、「ガ」は最終的に「影」を殲滅することに成功するのだが、
何度も「巨大化」を行ったために、隼人の細胞は寿命がつきてしまい、
隼人の体はぼろぼろと朽ち始めてしまう。


336 名前:ΑΩ 3/3 :2010/10/22(金) 17:37:40
そこで「ガ」は、こんどは自分のプラズマ生命体としての「データ」の一部に隼人の精神を取り込み、
一体化した存在として宇宙に帰る事にする。
隼人もそれに賛同する。

これまでのいきさつで、隼人と一緒にずっと行動していた刑事がいた。
刑事は隼人の体が朽ち果て、その後「ガ」に宇宙に連れて行かれる
一部始終をかなりの近距離で見ていた。

「ガ」がプラズマ生命体に戻って宇宙に帰る時に、
「青い光」(おそらくチェレンコフ光)を放ちながら飛んで行ったのだが、
刑事はそれを浴びてしまう。そのときはすこしくらっとする程度だったが。

刑事はその後、脱毛、けいれん、激しい嘔吐観、意識混濁に
苦しめられるハメに陥る。

最後は一応ハッピーエンドだと思ったのに、何故このエピソードをいれたんだろうと思った。
刑事、何も悪い事してないのに。

 

ΑΩ(アルファ・オメガ)―超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫)
ΑΩ(アルファ・オメガ)
超空想科学怪奇譚 (角川ホラー文庫)