パタリロ!/第38話「FLY ME TO THE MOON」(魔夜峰央)
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653 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/03(水) 18:35:45
- パタリロが生まれて初めて本気で泣いた話をしてやれ。
あれには俺も本気で号泣した。
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655 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/03(水) 19:03:13
- >>653
ガイシュツだったはずだけど、fly me to the moonマリネラ王国の航空宇宙局で働く少年ロビーは「神の手を持つ男」と呼ばれていた。
触れただけで他人の病気や怪我を治す特殊能力を持っていたからだ。
パタリロはそれで一儲けしようと考え付く。
全世界へ宣伝を打つと、ロビーへの依頼は連日行列を成す盛況ぶりだった。
ある日その行列にバンコラン少佐が加わっていた。
彼の依頼は、世界的に有名な聖人の病気の治療。彼の尽力でとある戦争が
休戦状態になっており、もしも彼に何かがあれば再び戦火が起こって
大勢の人死にが出ることは間違いない。聖人は死の床にあった。ロビーは体調が優れず、立ち上がることも覚束ない状態だったが
謝礼に目のくらんだパタリロはロビーに軽く検査を受けさせ、聖人の元へと連れて行った。ロビーはいつか宇宙へ行くことが夢だと語った。アームストロング船長のように
自分もいつか月へ飛び立ちたいと、航空宇宙局に就職したのだった。聖人の治療を前に、パタリロへ一報が飛び込んでくる。ロビーの検査結果が出たのだ。
彼の能力は人を癒すわけではなかった。自分の生命力を他人に分け与えている
だけだったのだ。度重なる治療で、彼の体はすっかりボロボロになっているというのだ。
これ以上の治療は彼の命に関わる、すぐに入院させろと医者は言い募る。
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656 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/03(水) 19:05:32
- ロビーを連れてマリネラへ戻ろうとするパタリロにバンコランが厳しい声をかけた。
「戦争が続けば、大勢の人間の命が奪われるんだぞ」
苦渋の後、パタリロは無理やり笑顔を作って少年のもとへ行く。
「ロビー、最後の仕事だ。これが終わったらロケットに乗せてやるぞ。
ロケットにはおまえの名前を付けてやろう。月行きロビー一世号だ」
パタリロに感謝し、礼を言いながらロビーは聖人の治療へ向かう。
聖人の両手を握りながら力をこめて、「全力でやれと…殿下のご命令」
彼の体はそのまま沈みこみ、入れ替わるようにして聖人は起き上がった。
ロビーの死体を聖人は訝しげに見つめた。立ち去るパタリロに、バンコランは声をかけようとする。
「触るな!」厳しい声でバンコランの手を跳ね除けたパタリロは、
その日産まれて初めて、本気で涙を流した。
「夢があるんです。宇宙飛行士になる勉強をして、いつか宇宙へ飛び出してみたいんです。
アポロ11号のアームストロング船長みたいに、月へ…」
心の中にロビーの弾む声がこだましていた。
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657 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/03(水) 21:13:35
- パタリロはちょいちょい泣ける話を挟むから油断ならない
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658 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/04(木) 00:50:20
- うちのカーチャンはマライヒを女の子だと思っていた。
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660 名前:本当にあった怖い名無し :2010/11/04(木) 01:02:06
- だって子供生んだしな…