ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その121 » まんぼう(武富健治)

800 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/09(月) 01:07:11.98
主人公はわりと可愛い中学生の女の子。
クラスの女子のリーダー的存在で、友達が多い。
一番の親友は、昔からの付き合いであまり容姿がよくない子。

いつの頃からか、男子たちは「マンボウ」と主人公たちに向かってつぶやくようになった。
その意味不明なつぶやきには蔑みのニュアンスがあった。
主人公は、「マンボウ」という言葉の意味はわからないが、それは親友への蔑称だろうと勘付いた。

親友は気が強く、悪口を言われてもすぐ言い返し、
特に険悪にならずに口喧嘩の応酬をコミュニケーションのようにする活発な子だった。
だが、「マンボウ」という謎のつぶやきをされた時だけは、
顔色を青くしながらも何も言い返さず無視しようと務めていた。
主人公が気になって他の友人たちに相談してみたところ、海生生物の図鑑を見せられた。
そこに映っている独特の丸い顔立ちのマンボウは、肥満体の親友の顔に似ていた。
「ブス」「デブ」という罵りは平気な親友でも、流石に似すぎている「マンボウ」という悪口には傷ついたのだろう、
そう哀れに思いつつも、主人公はあまりのそっくりさに少し笑ってしまった。
主人公は「マンボウ」という男子達のつぶやきを聞くたびに
「そういう事言ったら可哀想でしょ」と真っ向から反抗したが、
男子達はクスクス笑いあい、全く取り合ってくれなかった。

主人公は一人の男子を呼び出し、マンボウという陰口を皆にやめさせるよう言った。
親友の顔は確かにマンボウに似てるかもしれないけど可哀想、そう言ったところ、その男子は笑い出した。
彼は「そんな事を思っていたお前の方がよっぽどひどい」と主人公に言い、
「マンボウ」と呼ばれているのは親友ではなく主人公の方なのだと言った。
理由を知りたいのならあいつに聞けと、彼は他の男子生徒の名前を挙げた。
その人は、主人公とちょっといい感じの関係になっている男子生徒だった。


801 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/09(月) 01:07:59.63
その男子生徒は、少し前から主人公に対しよそよそしくなっていた。
以前はとても仲がよく、その事をからかわれては互いに反発していたが、
なんだかんだで互いに好きあっているのはバレバレだった。
「マンボウ」について問うと彼はひどく動揺して泣きそうになったが、やがて全てを白状した。

少し前の修学旅行で、男子達は代々伝わる恒例行事を行ったという。
それは風呂覗き。毎年共通している修学旅行先には覗きの絶好のスポットがあり、
男子生徒の間でその場所が代々言い継がれていた。
わずかな隙間から覗けるだけで一望はできないが、思春期の彼らにとってはそれで十分興奮できるものだった。
彼らが覗きを実行したところ、隙間からは主人公の裸体が見えた。
他の女子生徒はちょうど見えず、主人公しか見られなかったが、
クラスで一番人気の主人公の裸はありがたいもので、学年中の男子が群がる事となった。

主人公に惚れていた例の男子は、自分も覗き見てしまったものの、思いのほかよく見えてしまった事に罪悪感を抱き、
こんな事はよくないと、続く他の生徒たちを止めようとした。
すると、他の者たちは「お前あいつの事が好きだからかばうんだ」とはやしたてはじめた。
恥ずかしさにカッとした彼は
「誰があんなまん毛ぼうぼうな女、そうだあいつの事これからマンボウって呼ぼうぜ」と暴言を吐いてしまった。
結局主人公の裸をほとんどの男子生徒が覗き見た。
そしてその日から、マンボウというあだなが定着してしまったのだった。

主人公はひどくショックを受けた。
一晩経ってから、「自分が悪口を言われている」と思って傷ついているであろう親友へ誤解を解かねばと思いたち、
恥ずかしく思いながらも一連の事件を親友に打ち明ける事を決めた。
話し終えたところ、親友は「うん、知ってた」とひどく気まずそうにつぶやいた。

主人公は、裸を男子たちに見られていた事、それを嘲られていた事、
そして自分が無意識に親友を下に見ていた事を悟られていた事、
それらのショックを数年間引きずり続けるようになった。

男子に対して訴訟を起こせよこんちくしょうと思った


802 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/09(月) 01:20:01.32
親友が、主人公が何か言われてもスルーしてたのは
下に見られてて不快だったから?
リアルだな

808 名前:本当にあった怖い名無し :2011/05/09(月) 12:38:47.97
>>802
いや、打ち明けたら主人公が傷つくだろうし、
面と向かって男子を止めようとしても図に乗るだけだろうから、
無視して風化に務めていたが、勘違いした主人公が騒いだ事によって益々男子達が調子に乗った、って感じ
親友は普通に主人公を思いやっていた

 

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