下の世界(筒井康隆)

499 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/18(土) 01:56:55.81
地底人と地上人で思い出した筒井康隆の初期の作品

この話は地底人は黒人や黄色人種で地下に押しこめられているが
唯一オリンピック的なスポーツの祭典で記録を出した者は地上に住まう事が出来る
その為体格や運動能力が現在以上に発達している
対して地上世界は白人のもので年を取らないようにする技術が発展し
何年も何十年も若い少女の姿のままでいられる

主人公は優勝候補で地上に行けるのは間違いないと言われていたが
ある時こっそり地上に出た時にとても美しい少女と出会う
彼女と仲良くなろうと握手するんだが、地底人のパワーが地上人より遥かに強かったため
主人公は彼女に怪我を負わせてしまう
スポーツの祭典への参加資格を剥奪され、優勝候補から一気に若くして隠遁生活を送らなければならなくなった


501 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/18(土) 09:28:58.42
>>499
それかなり内容が違う。自分もうろ覚えだけれど。
主人公は近所の老人と親しくしていた。老人は肉体労働者ばかりの世界で本を収集して読んでいて、
周りからは疎まれ軽蔑されていたけれど、主人公は上の世界に上がった後(>>499にあるように見世物的な扱い)、
万一のチャンスをつかんで出世したいと思っていたので、老人に読み書きを教わって頭脳も鍛えていた。
ある日、主人公は上の世界の少女がこちらを覗きこんでいるのに気づく。
筒型のなにかを下の世界に落としてしまったらしい。

502 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/18(土) 09:30:01.10
拾って渡したとき、少女の美しさに捕らわれてふと触れた指をつかんで離せなくなってしまった主人公。
少女は何かを話しかけてくるが、主人公には聞き取れない。少女は痛みに悲鳴を上げていた。

老人は主人公に言い聞かせる。老人も若い頃は主人公と同様に優勝候補だったが同じ体験をした。
少女は老人を引退させたのと同じ女性で、老人が若い頃既に老女であった。
落としたものは補聴器で、美しく若い顔も美容手術の賜物だった。


503 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/18(土) 09:31:34.48
唯一のチャンスが婆のせいで潰えたことに絶望する主人公。ただしばらくすると彼は老人にこう言う。
「私はどの本から読み始めればよいのでしょうか」
彼は老人のように、下の世界で出来る限りの教養を身につけることを決意したのだ。

自分はこれは後味は良いと思った。


508 名前:本当にあった怖い名無し :2011/06/18(土) 11:34:10.99
補足ありがとう
自分は婆のせいで優勝候補の夢が一瞬で消え、これからの長い人生を
一生地下で過ごさなきゃならない絶望、唯一出来る慰めが読書のみという辺りで後味悪いと思ったんだわ
確か総集編の後書きや評論にもそうあったはず

 

佇むひと―リリカル短篇集 (角川文庫)
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