ホーム » 小説 » 小説/は行 » 拝啓、通り魔様(赤川次郎)

816 名前:1/2 :2011/10/05(水) 20:30:56.77
赤川次郎の短編集から。既出だったらごめん。

中学生の女の子が暴行の被害に遭う。
不幸中の幸いで、健康に影響はなかった。
本人の気持ちを慮って警察にも届け出なし。
早く忘れてしまおうと努めてたら、その子に絡んできた不良(面識ほぼない)が事件の事知ってた。
妹の担任にまで噂が広まってて、どうも界隈ではもう有名な話っぽい。
母親に確認してくれた友達曰く、食料品店のおじさん(事件の後で、落とした鞄届けてくれた)
が話の大本らしい。
女の子の怒りの矛先は、暴行犯より噂の発信源に向いた。

食料品店のおじさんは
『近所の娘さんの様子がおかしかった。鞄が落ちてたから届けた』
というだけの、しかも余所には洩らしてない話が
『間違いなく暴行された。裸で歩いてた』
という状態で広まってるのを聞いて驚いた。
元凶は自分の奥さん。誇張して客に話して面白がってた。
嗜めたけど、奥さんは何が悪いかも解ってない態度で
「みんなそのうち忘れるわよ」
とか言って
件の女子中学生が買い物に来た様子を、興味深げに聞いてくる始末。


817 名前:2/2 :2011/10/05(水) 20:32:49.15
そのすぐ後、町内に連続下着泥棒が出た。
食料品店の奥さんは、自分ちは被害ないのに、対策会議に駆り出されて機嫌悪く帰宅。
旦那は外出中で、仕方なく店番してると幼女が買い物に来た。
高い棚の上にあるチョコが欲しいと言うので取ろうとしたら、はずみで落ちた箱の中から
女物の下着が散乱した。
幼女に口止め料として金額より多いチョコを渡して帰したら、相手の母親が不審がり、怒られると思った幼女は
チョコを貰ったいきさつをあっさりゲロ。

下着泥と断定された食料品店の旦那は、店を畳んですぐにも引っ越すことになった。
下着を盗み隙を見て箱を置いたのは、暴行被害者の女の子。
そしらぬ顔で下着泥について友達と話していた所、先日からんできた不良たちに乱暴されかかった。
そこへ食料品店のおじさんが助けに入り、不良たちを追ったが、女の子は友達を強く促して普通に帰宅。
夜、警察が来て、おじさんが不良に刺されて死んだと知らされる。
「死に際に、君を助けようとした、と言っていたが間違いないか」
という問いに
「私、襲われてません。下着泥棒で有名なんです。よく思われたくて嘘ついたんだと思います」
としらを切った。
亡くなったと知って少し心が痛んだが、すぐに忘れて日常に戻ってお終い。

結局暴行犯は捕まってないわ、死人は出るわで、結構モヤモヤした。
「怖い子供」がテーマの話だから、これでいいっちゃいいのかもしれないがなんか……。

 

充ち足りた悪漢たち (文春文庫)
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