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666 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/26(火) 11:27:50.80
星新一選・ショートショートの広場1から、「首」

大学生の主人公は、学友を連れて実家に立ち寄る。
それぞれ、老人の生首を入れたクーラーボックスを下げている。

近未来の日本では、現役世代一人で20人余りの老人を支える計算になっていた。
政府は70歳以上の老人を殺すことを許可した。
一人殺せば一人分の負担が免除される。
ほとんどの老人は家族に守られたが、不幸な老人は山に逃げた。

主人公たちは山狩りの帰りで、ついでに祖父の首を学友に与える計画だった(身内の首はカウントされない)
しかし、父が止める。

私の獲物を奪うな。私はお前たちのように、首狩り族の真似はできない。
取引先が祖父の首を要求している。会社のため、給料のためだ、わかってくれ。

累進課税に耐えられる収入がある父の気迫に押され、主人公たちは引き下がる。
主人公は帰り道、ふと思う。

父は親思いだ、祖父を守る咄嗟の嘘にちがいない。
まあいい、そのうち殺ればいいさ。

学友が「適格者」の叔父を主人公に与えることを提案する。
二人は田舎の駅から叔父の住む町に向かう。

抑制した筆が怖いです。

 

ショートショートの広場 (講談社文庫)
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