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30 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/06(金) 23:00:26.96
高橋葉介「夢幻紳士怪奇編・夜会」

戦前の帝都・東京の夜。
主人公は酒場の給仕から、女客を送るよう頼まれる。
御婦人の独り歩きは物騒だから、というわけ。

道すがら、美しいモダンガールである女客は語る。
ずっと以前から同じ夢を見ている、顔のわからぬ男に喉を切り裂かれて死ぬ夢を。
最初は怖かったが今では口づけを待つ花嫁のように、その運命を待ち望んでいる。
貴方こそ私の「運命の男」に違いない。

主人公は否定する。
貴女の「運命の男」はあの酒場の給仕だ。
彼はずっと以前から、見知らぬ女の首を切り裂く夢を見ていた。
酒場に毎夜現れる貴女は、夢の女と同じ美しく頼りなげな白い首をしている。

怯えた彼から相談を受けた僕は、帝都を離れるよう忠告しました。
貴女が「運命の男」に出会うことはありません。
僕はただ、貴女のせいで殺人者にされてしまう男を救うことしかできないのです。

主人公が去った後、女客はハンドバッグから刃物を取り出し、喉を両断する。
女の死に顔は微笑を浮かべていた。

両方助けてやれよ


33 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/07(土) 00:57:44.72
>>30
あれは女が殺される事を望んでいて、その願望実現能力を阻止する話なんだな。
だから「貴女のせいで殺人者になってしまう」のを回避するしかなかった訳で、どうあっても
あの女は死ぬ。ただ彼女は『殺される』事を切望するあまりに『死ぬ』事が目的化してしまい、
殺人者を失った彼女がそれを自殺という形で終わらせたのも彼女の在り様で、どちらも助け
るってのは無理だったんじゃないかな。

 

夢幻紳士 (怪奇篇) (ハヤカワコミック文庫)
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