ホーム » 小説 » 小説/は行 » ピーターパンの島(星新一)

873 名前:1/2 :2012/08/10(金) 17:21:26.51
星新一「ピーターパンの島」
話の舞台は未来の世界

「お花の中に小さい子供がいるよ」
一年ほど前にウェンディがそう言い出した時、両親は驚き慌て
様々な書物や映像を見せ、花の中は人が住めるような構造はしていないと諭した。
しかしウェンディが妖精の存在を信じ、夢や暗がりの中でその姿を見て楽しんでいるのが解ると
嘆き悲しみながら彼女をある学校へと入れた。
 化学が発達したその世界では、ずいぶん前から本や映像に妖精や怪物などの架空の
生き物を登場させるのを禁止していた。それらは人類の発展の邪魔になる害悪だと
徹底してその存在を抹消し、人々は彼らの存在を忘れていった。
だが、妖精や怪物たちは最後の隠れ家として一部の人間の思想の底に身をひそめた。
このウェンディのように

彼女の入れられた特殊学校は、そういう子供たちを世界から集め検査し矯正させる施設だった
兆候の現れた子供をそこに連れて行くのは義務化されていた、他の「まとも」な子供たちに
影響を与えないに。
そしてどうしても矯正が不可能と判断された子はさらに別の施設に送られた。
都会から遠く離れた古い城を改造した建物で、入れられた子供たちは目を輝かせ喜んだ
ウェンディもそこに送られ、他の子供たちと一緒に妖精を捜し、歌を歌い、勇者ごっこや
魔法使いごっこをして遊んだ。
普通の学校では子供たちは規律正しく化学や機械の勉強を教えられ、そういった事をする子は
一人もいなかった。


874 名前:2/2 :2012/08/10(金) 17:23:00.04
 夜になると子供たちは職員におとぎ話をねだった、そこの職員たちは特別に
法律で禁止されている本を読むことを許可されていた。
目を輝かせながら聞き入る子供たちを注意深く観察し、少しでも話の内容に疑問を持っていそうな
子供をチェックし報告して、矯正が可能か検査するためだ。
だが期待に反しそんな子供はごくまれだった。

ある日先生が子供たちに、明日海賊船にのせて夢の島に連れて行ってくれると言った。
ウェンディを含めた子供たちは歓喜し、思い思いに島の様子を夢想した。
きっとピーターパンに合えるに違いない、美しいお姫様、妖精に人魚たちと思う存分戯れるのだ。
 翌日船に乗り込むと、本で見たまんまの海賊たちがいた、船長は肩にオウムをのせ眼帯をした
威厳のある風体だった。
子供たちは島に着くと歓声をあげ我先にと駆け出して行った、全員が降りたのを確認すると海賊たちは
船を出し島から離れていく。

 船の中では船員たちが忌々しそうに馬鹿げた服を脱ぎ棄てながら話していた
「今度の実験はいつでしたっけ」「あさっての朝だ」
「新しい兵器は凄いそうですね、あの島が一瞬で消え去ってしまうとか」
「科学の進歩は素晴らしい、なのに何故あんなキチガイの子供が絶えないのでしょうかねぇ」
船長は別にどうでもいいというような顔で船を操作していた。
籠のオウムが何かを叫んでいたがそんなことはなんの関係のないことだった。


876 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/10(金) 17:43:38.48
>>871
えーーーーーーーーーーーーー
と思った。面白かった、乙!

882 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/10(金) 19:22:24.10
>>874
そりゃファンタジーが好きな子達はお城でおとぎ話を聞かせてもらえたらもっと信じちゃうし、
海賊船なんて見たらはしゃいじゃうよね。
矯正出来る素質を調べるなら他にも方法あるだろうに…
矯正の芽を初めから潰してる感じなのが後味悪し。

883 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/10(金) 21:00:19.61
矯正できる可能性がないので実験台に使ってもいいんです
っていうアリバイ作りなんじゃないの?

 

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