ホーム » 小説 » 小説/か行 » 風見鶏(都筑道夫)

64 名前:1/2 :2012/08/19(日) 00:42:59.79
都筑道夫の短編「風見鶏」

ノブオ(仮名)は児童向け教材のしがないセールスマン。
遠縁の町工場経営者の厚意で、家賃無料で工場の宿直室に寝泊まりさせてもらっている。
ある時、見知らぬ若い女から電話が来る。
女は民家の二階に監禁されていて、見張りの中年女の入浴中に適当な番号を回しているという。
(昭和4~50年代の作品。電話はダイヤル式が普通だった)

「よかった、ちゃんとお話してくれたのはあなただけ。みんなイタズラ電話だと思ってるの」
「おばさんはとてもおっかない人なの、わたしが勝手に下に降りると折檻するの」
「玄関には鍵がかかっているの、開けかたがわからないの。おばさんが服を着せてくれないから、わたしはいつも裸なの」

見知らぬ女は毎晩、電話を掛けてくるようになった。
話すうちに、女はまだ若く、知恵遅れで自分の名前もわからず、おそらく美しいことがわかる。
そして、「おばさん」に監禁され、売春を強いられているらしいこともわかり、ノブオは女を救い出すことを決意する。


65 名前:2/2 :2012/08/19(日) 00:44:17.94
ノブオはセールスマンなのだ、東京中を歩き回ればいい。
女との会話で、風見鶏のある尖塔を持つ建物が近くにあることがわかった。
女は、ノブオに見つけてもらう目印に、星型に切った折り紙を窓に幾つも貼ることを約束した。

ある日、ノブオはついにそれらしい住宅を見つけた。
ありふれた二階家で、窓には折り紙のカラフルな星が何枚も貼ってある。近くには風見鶏を戴いた尖塔つきの建物もある。
近所でそれとなく聞き込むと、その家には陰気な、近所付き合いもしない中年女が一人で住んでいるという。

ノブオは勢い込んで交番に行くが、ガラス戸に映った自分の姿、
すなわち貧相で目つきの悪いキモブサ中年男の姿を見て卑屈な笑みを浮かべる。
「すんませんお巡りさん、一番近い国電の駅ってどこですかね?」

今夜も女は電話を掛けてきた。ノブオは精一杯若やいだ声を出すのだった。
「今日は○○区の××町を廻ったよ、明日は●●町を廻ってみる。必ず僕が助けてあげるから、耐えるんだよ」


66 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/19(日) 00:59:08.76
女の妄想かと思ったらそういうオチか。後味悪い

67 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/19(日) 01:05:13.58
しばらくもすれば電話代でおばさんにばれちゃうんだろうな…

68 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/19(日) 01:39:33.01
そうなの?てっきりノブオ同様女の方も「自分」を偽って「中年女に監禁されてる憐れな女」を演じて
電話をかけている事に気づいたからノブオも会うことをやめたって風に思ってた。

70 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/19(日) 11:57:35.43
>>68
原作を直接読んでないから断言できないけど、そういう解釈も出来るような書き方してあるんじゃないかな。
そんな女は本当にいるのか?中年女の二役では?ノブオは行かなくて正解?でも本当かもしれないし・・・
と、読者が読んだあとにモヤモヤするのを狙ってるんじゃ。

71 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/19(日) 15:29:57.35
>>64だけど、一人二役は思いつかなかった。
この作品、何回かリライトされてるんだよね。

 

十七人目の死神 (角川文庫 緑)
十七人目の死神 (角川文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...