ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その133 » 強盗殺人犯と友情を、窃盗犯と愛情を

83 名前:1/2 :2012/08/20(月) 11:09:58.45
まつざきあけみの短編、タイトルは忘れたが90年代の作品だったはず。

女子中学生の正子は、嘘を病的に嫌う父親の躾=鉄拳制裁のせいで、馬鹿正直にふるまう事しか許されない。
ちなみに父親は万年巡査。

ある日、近くの団地に泥棒が入る。
(マンションだったかもしれない)
偶然通り掛かった正子は、野次馬の中に片思いのイケメン男子を見つけて、どういうわけか嘘をついてしまう。
「そういえばさっき、怪しい女の子がいたかも…背が低くて、太ってて、髪がボサボサで、猫背で…
 
そうだわ、挙動不審だったから覚えてる。服は確か…」

咄嗟の嘘のはずだが、その通りの女の子が補導されてしまう。
彼女は正子やイケメンと同じクラスの貧乏デブスだった。
正子は、嘘がばれたら父親にタコ殴りにされるので、罪悪感を持ちながら
「デブスさんがそんな事するはずないわ、他人の空似よ」
と言うしかない。

デブスは当然冤罪なので、無実を主張する。
周りは、あの馬鹿正直が嘘をつくはずがない、とデブスを責める。
父親は、俺の娘が嘘をついたら殺してやる、と鼻息が荒い。
父親を恐れる正子は、デブスのシャーペンを盗んで被害に遭った部屋にこっそり投げ込む。
(郵便受けか、廊下の窓だったと思う)


84 名前:2/2 :2012/08/20(月) 11:11:45.04
偽の物証が見つかり、デブスは窃盗を認める。
正子は罪悪感からデブスを優しくかばい、友達になる。
そして、イケメンに告白されて付き合いはじめる。

しばらくして、近くの豪邸で一人暮らしの老女の死体が発見された。タンス預金の札束も奪われていた。
殺されたのは、例の窃盗事件の数日前らしい。
正子はあの日、自分が咄嗟に嘘をついた理由にたどり着いた。

正子はその日、豪邸の前を通り掛かって、デブスが庭にいたのを見かけていた。
デブスさんがあんな所にいるわけないと、すっかり忘れて数日後、窃盗事件発生。
野次馬の中のイケメンは挙動不審で、正子を見て非常に驚いた様子だった。
そして、イケメンの家は被害に遭った団地とはかなり離れている。
正子は無意識にイケメンをかばい、数日前に見た「挙動不審な女の子」の特徴を話したのだった。

「デブスさんは貧乏だ、時効が過ぎるまで札束はどこかに隠しておくのだろう」
「イケメン君が私にコクったのは、私の嘘に対する報酬なんだ」

正子は絶望と罪悪感に苦しみながら、強盗殺人犯と友情を、窃盗犯と愛情を育むのだった。


85 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/20(月) 18:54:46.61
普通に考えたら報酬じゃなくて監視のためじゃないかそれ

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