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243 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/25(土) 10:55:12.56
小酒井不木 「秘密の相似」

作品は一貫して、ある女性が男性に手紙を書くというスタイル。
その二人が結婚式を済ませて初夜を迎えるも、何もなく一夜を明かし、女性は実家に帰ってしまう。
その理由は彼女が病気により左目が見えない「不具(本文の表現まま)」であり、
結婚までそれを隠しとおしてきた新婦が罪の意識に耐えきれなくなったからだ。
彼女は手紙によってその真意を伝え、結婚は取りやめにしてほしいと訴える。

新婦はさらにもう一通手紙を書く。
実は新郎から返信が届き、その内容は新郎自身も眼病を患い右目を失明しているというもの。
自身も隠していたことを謝し、新婦に戻ってくるようすすめる手紙に返事を書くというスタイル。
新婦は驚くとともに喜びをもってそれに応える、という趣旨を延々と書く。

続く


244 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/25(土) 10:55:49.33
続き

しかし、改行して「微塵もそんな心はない」といきなり攻撃的な表現に変わる。
新婦は披露宴で酔った新郎の友人に、新郎が左目が見えないと伝えられた。
見合いから式にいたるまで一度もその告白をされずにいたこと、
仲人も知らずにいたとはいえ調査不足であったことに新婦は腹を立てる。
それで初夜は「月のもの」と称して交渉を拒み、翌朝には実家に戻った。
真実を確かめるべく、彼女は手紙で自分が片目の明かりを失っていると虚偽を述べ、新郎が白状するように罠をかけた。
まんまと罠にかかった新郎を新婦はあざけり、
「不具もの(本文まま)」に唇と貞操と奪われなかったことを誇りに思うと書く。
手紙は「これでお別れにします。永久に。」という言葉で終わる。

もともとこの作家は推理小説、しかも医学や科学に基づく小説を書くので、私のお気に入りでもある。
初見では「結局よりを戻すが、子どもができたら両目が見えない赤ちゃんが産まれた、というナンセンス作品じゃね?」
と思っていたが、上記のような結末で、後味の悪い思いをしたものだ。


246 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/25(土) 11:27:18.72
>>243-244
確かにこの話は後味悪いな。
新婦が身勝手っていうかなんというか

 

怪奇探偵小説名作選〈1〉小酒井不木集―恋愛曲線 (ちくま文庫)
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