大越孝太郎の短編漫画
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71 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/24(月) 12:32:18.41
- 大越孝太郎の短編漫画
舞台は近未来のカオスな横浜。 
 フリーターのサブリナ(日系ハーフ)は、都会に憧れて横浜にやってきた。
 バイトを転々として、今はレースクイーンをしている。いつまで続くか見物だが。
 親友のマリリン(白人)は一足先に横浜に出て、売れっ子の漫画家になっている。
 マリリンの住む高級マンションを訪問した帰り道、
 「漫画家って儲かるんだなぁ…あたしもマリリンみたく才能があったらなぁ…」
 とつぶやくサブリナだった。数ヶ月後、マリリンは膝上から下を失って義足を装着していた。 
 驚くサブリナに、マリリンは説明する。この都会(まち)では、男の子が死ぬまで働いたって庭付き一戸建てなんか買えないのよ。 
 漫画の才能だけじゃこんな所に住めないわ。
 あなたもまともな暮らしがしたかったら、腎臓の一つくらい売らなきゃ。マリリンは「白人の膝上から下の脚」を欲しがっていたモデルに脚を売っていた。 
 近未来の架空の横浜では、誰でも気軽に不要な器官を売っていたのだ。例えば子宮、片目、片手など。さらに数ヶ月後、マリリンは脳と義手だけになっていた。 
 脳をプリンターに直結したので、考えるだけで漫画が描けると。
 義手は、金魚にエサをやるだけ。
 脳だけになっても、高級マンションに住み続けるマリリンだった。


