白い犬とブランコ(莫言)

408 名前:本当にあった怖い名無し :2012/10/11(木) 22:21:35.32
ノーベル文学賞受賞記念
莫言「白い犬とブランコ」

進学で故郷を離れた主人公が故郷へ帰ってきて、
コーリャン畑で幼馴染の女性に出会う。
主人公は昔、ブランコの事故で彼女の片目を失明させてしまった。
近況について聞くと彼女も結婚して子供もいるようだ。
その後、主人公は彼女の家に行く。
すると出てきたのは彼女の夫だった。
夫は唖で、粗野な感じの男だった。
彼女の苦労を想像して主人公は心を痛める。
ところがいっしょに酒を飲んで主人公は夫と意気投合し、
それほど悪い境遇ではないじゃないかと思いつつ家を出る。
すると帰り道に彼女がいた。
彼女は夫と子供について語る。
夫は嫉妬深く、暴力もふるう男だった。
子供は三つ子で、しかも全員が唖だった。
主人公は彼女にこんな境遇にさせたことを謝るが、
彼女は主人公に「物の言える子供(=主人公の子供)が欲しい」と迫る。

田舎の陰鬱さの描写が実に生々しい小説

 

白い犬とブランコ―莫言自選短編集
白い犬とブランコ―莫言自選短編集