ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その134 » 知恵汁(花輪和一)

659 名前:1/2 :2012/10/22(月) 10:32:57.91
花輪和一が出所後に描いたホラー短編「知恵汁」

A夫人の息子、A男は高校浪人で予備校に通っている。
親友のB男は、名門の黒桜高校に入学した。
A夫人はB男を車庫に監禁し、息子のために「知恵汁」を採ることにした。
B男を台に仰向けに拘束し、頭頂の皮膚を切開して露出した骨をヤスリで削り、現れた脳にストローを刺す。
「トロ~リ…トロリ…としたたる知恵汁はダイヤモンドのように輝くのです」

知恵汁混じりの食事を与えられたA男は熱を出した。
「知恵汁を飲んだので知恵熱が出たのです、これからぐんぐん頭が良くなるのです」
実際、A男の成績は急に上がった。

B男の母のB夫人は、行方不明の息子を案じてA夫人に尋ねるが、A夫人は当然しらばっくれる。
A男は、母がB男から知恵汁を採取する現場を見てしまう。
が、母の愛に感激して猛勉強するだけ。

A夫人は、知恵汁が枯れてアホになったB男の脳に電流を流して記憶を消し、駅前広場に捨てた。
それと前後して、B夫人はA宅のゴミからB男の靴を発見していた。
「やっぱりこの家、変よ…」


660 名前:2/2 :2012/10/22(月) 10:38:07.89
B親子はA宅の枝ぶりのいい松の木で首を吊った。

A宅に人魂が二つ現れるようになったが、A夫人は気にもしない。
ある夜、B親子の幽霊を見たA夫人は、慌てず騒がず塩を大量に溶かした熱湯を幽霊にかけて浄めた。
幽霊はそれっきり現れなかった。
「さあA男ちゃん、しっかり勉強するのよ。ママがついてますからね」
「うん、ママ!僕絶対日銀総裁になるよ!」
満月が親子を応援するように白く輝いていた。

A夫人というのが今時着物の奥様、夫の影はない。
花輪絵の典型というか、切れ上がった目の色っぽい人妻の顔。
B夫人はスーツで丸い目の、可愛らしい感じの奥様。
A男も感激してんじゃねーよ、と後味悪い。

 

不成仏霊童女 (ホラーMコミック文庫)
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