ホーム » 小説 » その他書籍 » 火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者/見えていても見えない(オリヴァー・サックス)

47 名前:1/2 :2012/11/07(水) 02:52:15.36
オリヴァー・サックス「火星の人類学者」から、「見えていても見えない」

重度の白内障のため六歳で失明した、YMCAの腕のいいマッサージ師(かろうじて明暗はわかる)。
婚約者の薦めで白内障の手術を受けた。

視力を取り戻したが、距離感がわからない。
部分を見ても全体像がわからない。
(「木」を「見る」訓練に数週間かかった。葉っぱや枝は見えても全体を統合するのが大変なのだ)
触覚で覚えたものを「今見えているもの」と結びつけるため、新居にある物を隅々まで触り直した。

絵画や写真がわからない。三次元を二次元で表現することが理解できないのだ。
テレビの野球中継が好きだが、音声を消したら何がなんだかわからない。
(元々ラジオの野球中継が好きだった)


48 名前:2/2 :2012/11/07(水) 02:53:05.63
マッサージ師としては、触覚で覚えていた客の肌がシミやくすみで汚いことに失望し、
目を閉じて仕事することで妥協した。

彼はその後肺炎で重態になり、酸欠で再び失明した。
肺気腫を併発し、酸素ボンベがないと起き上がれない身体になった彼を、YMCAは解雇した。

穏やかな性格で、腕のいいマッサージ師で、
新聞や本(点字訳とカセットブック)を楽しんでいた自立した障害者である彼は、
視覚を一時的に取り戻したことで陰鬱な、ストレス性の過食で無様に太った無職になってしまった。

結婚式の数週間前に手術を受けたのに、花嫁の顔がぼんやりとしか見えなかったのが切ない。
動物園で、ゴリラが背景に紛れてちゃんと見えない→実物大のゴリラ像を触る→ゴリラを理解できた!
のくだりも切ない。

 

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)
火星の人類学者
脳神経科医と7人の奇妙な患者
(ハヤカワ文庫NF)


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