プルトニウムと半月(沙藤一樹)

787本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 18:03:41.51
沙藤一樹 著の「プルトニウムと半月」
原発が暴走して汚染地域となった「ハーフムーン」で生きる主人公をたくましく描いた作品。
ハーフムーンは、僅かな人が住んでいる他、
自殺志願者や暴走族みたいのがたむろしている世紀末な場所。

主人公には双子の妹がおり、以前は裕福に暮らしていた。
ところが住んでいた場所にあった原発が暴走して、姉妹で被爆してしまう。
原発で働いていた父は解雇され、生活が厳しくなっていくと共に親戚(?)の家に預けられる姉妹。
預けられた先では、姉である主人公は幸せに暮らすが、妹は虐待されているらしい。
妹が可哀想な姉は、双子と言う事を利用して入れ替わってあげるんだけど、
虐待していた家の住人にぶちギレて1人を階段から落として殺してしまう。
主人公はその家から逃げて、妹にも一緒に逃げようと言うが、妹は「自首しろ」と言う。
妹に絶望した主人公は、以前住んでいたハーフムーンへと逃げる。
ハーフムーンでも生活は決して楽ではないのだけれど、知り合った人々や、
心中家族から引き取った女の子(赤ん坊)を育てたりして、それなりに幸せな日々を送る。
しかし、主人公の友人の1人が暴走族に殺された事で、報復する主人公の仲間と暴走族が全面戦争になる。
主人公と仲間は何とか暴走族を追い払うんだけど、追い払った直後に、
散歩していた女の子(赤ん坊が成長した)と別の主人公の仲間が暴走族に襲われて女の子が死亡する。
絶望して業務用冷蔵庫(?)に閉じ籠もった主人公の下に、主人公の妹がやってくる。
主人公の妹は、「自分が○○(主人公)を守る」みたいに言って、主人公と和解する。

ここまでだとちょっと幸せな姉妹百合っぽい話なんだけど、後味悪いのはラストの後日談。


788本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 18:04:19.03
ハーフムーンで一緒に暮らし始めた主人公と妹、
だけど長期間に渡って被爆に対する薬を飲んでなかった主人公が狂いはじめる。
妹を殺して鍋にして食べる(カニバリズム)と、(白内障が原因で)他の仲間も斬殺する。
暴走族と一戦交えた時の仲間も絶望して自殺する。
主人公の後をつけていた仲間(女の子と散歩してた人物)は、主人公を守ろうとするが、衰弱していく主人公。
「家に帰りたい」と言う主人公に対して、
「かつて幸せに一家で暮らしていた時の家」に主人公を運ぶ仲間。
家に帰った後、衰弱死する主人公。

最後に、主人公を家に運んだ仲間が語る。
「実は暴走族が襲ってきたとき、主人公の保護した女の子(かつての赤ん坊)を盾にして自分は生き残った」
仲間はその後、普通に社会に復帰してそれなりの人生を歩むが、
死の直前までハーフムーンで暮らした日々は忘れない、とかで終わり。

主人公は始終救われない展開が続いたし、なんと言っても、
「主人公に嫌われたくない為に、仲間が『女の子を盾にした』事を
『必死で守った』」とか嘘ついて、その後に何の救済もないのが後味悪い。


794 本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 18:41:16.73
>>787
妹のふりした状態でその家族殺して逃亡
これ妹に嫌疑かからなかったのか

795 本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 18:51:14.84
>>794
妹はその後、姉として生きていった。
もちろん、人殺しの姉と言うレッテルをはられて。

796 本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 19:05:06.26
>>795
それなら人殺しの妹として虐待家族の中で生活するよりはマシか
妹残して逃亡って姉どんだけ考えなしの自己中なんだと思ったけど
ちょっとは妹のことも考えてたのかね

797 本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 19:20:14.48
>>796
妹は基本的に正論しか言ってない。
故意でないにせよ人殺した訳だし、姉の為を思って「自首しろ」と言った。
主人公の姉は、人を殺した事より、「信頼していた妹に裏切られた」と感じて逆ギレ。

801 本当にあった怖い名無し:2013/01/10(木) 20:13:29.98
>>788
なんで被曝で狂うの?

 

プルトニウムと半月 (角川ホラー文庫)
プルトニウムと半月
(角川ホラー文庫)