私より下なの。ラッキー
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852:本当にあった怖い名無し:2013/01/12(土) 15:51:54.33
- 主人公は専業主婦で娘が一人いる
娘が小学4年生ぐらいになったころ、中学進学はどうするかと友人らに訊かれた
中学進学はまだだいぶ先の話だから主人公にはさしたるビジョンはなく、
公立中学に行かせればいいと思っていたところが友人たちは、今は公立中は荒れているから女の子は私立に行くべきだと主張する
私立中学と公立中学とでは、名門校への進学率がまるで違い、
中学受験に娘の今後の人生がかかっている友人らは言う
受験する気の子はもっと早くから勉強をしており、小4から中学受験の勉強を始めるのはむしろ遅い方、
手遅れになる前に早く塾通いをさせた方がいいとも言われ、主人公は焦りを感じた娘は特に頭が悪い方ではないし塾なんて行かなくてもいいのではないか、
そう思いつつも主人公は、友人らに勧められるままに
娘を無料お試し期間中に塾に行かせることにしたその日娘は泣きながら帰ってきた。集団塾での授業の内容が難しくてまるでわからず、
なのに他の子はみんなわかっていて、
一人だけ置いてけぼりにされて居たたまれなかったのだという
塾講師は学校の先生よりも厳しい感じなのも辛かったといい、
娘はもう塾には行きたくないと訴えるだが主人公はそれを聞いて、学校の授業には普通についていけている娘が、
中学受験を志す子たちと比べればまるでレベルが低いのだと知り愕然とした
泣く娘を説き伏せ、主人公は正式に娘を塾生にした娘はいつも泣きべそをかきながら帰ってきた
頻繁にテストが行われては順位表を上位から最下位まで貼り出されるのだが、
娘は最下位にしかなれないのだという
家でも、学校から出されるのとは比べ物にならない量の塾の宿題に追われる毎日だった
笑顔を見せなくなった娘を案じ、こんなに無理をさせずに身の丈にあった中学への進学を考えるべきではとも思ったが、
今がんばれば受験シーズンまでには他の塾生たちに追いつけるのではと悩んだある日、娘が晴れやかな笑顔を浮かべて塾から帰ってきた
なにかいい事があったのかと訊けば、恒例のテストで最下位を脱せたのだという
でもそれは娘が賢くなったからではなかった
「この前入った子がすごい馬鹿で、私より下なの。ラッキー」
今までは他人を馬鹿などと言ったことのなかった娘は清々しく笑ったが、
主人公はその笑顔を見ても喜ぶことができなかった
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857:本当にあった怖い名無し:2013/01/12(土) 16:42:56.87
- 元々頭の悪い娘だったんだなあと
荒れている公立中がお似合いなのでは