自分は常に正しいと信じている男がいて、どんな人と議論しても正論で論破し打ち負かしていた。そんなことを続けているうちに彼には多くの敵もできたが、彼は“自分は正しい、周りが間違っているのだ”と言って孤立しようとも満足していた。そんな彼もとうとう死ぬ時が来た。彼は正しい人だったから当然ながら、天国に行った。天国はいい人たちばかりなので、誰も彼と議論することはなかった。
それは彼にとって地獄の苦しみであった。