蛇踊り(コーリー・フォード)
-
71:本当にあった怖い名無し:2013/02/24(日) 12:24:52.81
- コーリー・フォード「蛇踊り」
アメリカのとある大学近くのドラッグストアで、主人公の青年が実家に電話を掛けている。
大学のフットボールチームが試合に勝ったので、ブラスバンドとともにまもなく
なだれ込んで来るだろう。ブラスバンドの音楽がかすかに聞こえる。
スネークダンスを踊りながら通りを練り歩く姿まで見えるようだ。「もしもし、母さん?僕だよ。父さんの具合はどう?…大丈夫、すぐによくなるよ」
「先週の送金かい?手紙に書いたじゃないか、フットボールの奨学金だよ。
活躍したからいいバイトも紹介してもらえるんだ」
「だから、貯めてくれてたお金は父さんの治療費にすればいいよ。
これから毎週送金するからさ」ブラスバンドの音楽が大きくなった。チームの連中が店に飛び込んできた。
『ジェリー、早く来いよ!おまえが居なきゃ始まらないよ』
『ジェリー、ママに電話かい?』「聞こえるだろ、僕のチームが勝ったんだ。これから祝勝会さ」
「お酒なんか飲まないよ、約束したじゃないか。じゃあね、母さん。愛してる」ジェリーはドラッグストアの屋号を染め抜いたエプロンの紐を直すと、
電話ボックスからソーダファウンテンのブースに戻った。
『ジェリー、俺のチームが勝ったんだぜ、これから祝勝会だ』
『とりあえずソーダな』
『こっちはミルクセーキ』中退したのか最初から進学してなかったのか…