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3211/2:2013/03/08(金) 21:07:29.91
筒井康隆「アフリカの爆弾」

主人公は日本の電機メーカーのアフリカ駐在員、
新興国に滞在するうちに大統領に気に入られて経済顧問のような事をしている。
新興国と言っても、小さな村の一部族が独立を宣言しただけ。
最近(当時)は独立ブームなのだ。

ある日、独立前から仲の悪かった隣国(村)が核ミサイルを買った、
との知らせを聞いた大統領は自分たちも核武装する事を即決した。
折悪しくアメリカ人観光団が押し寄せたので、
電化製品と眼鏡とカップ麺を大急ぎで隠す。
(観光立国なので、踊りと割礼手術が主な収入源)
大統領は腹心の部下と主人公を連れて国連軍まで買い物に出た。

大統領は5ギガトンのミサイルを選んだ。
広島を25万回壊滅できる威力だと知った主人公の脳裏に、
アフリカに左遷される原因となった赤ん坊の顔がちらついた。
東京の本社にいた頃、同僚OLに産ませてすぐに死んだ赤ん坊だ。
(主人公は堕ろせと言ったがOLが無理に産んだ)

国連軍の気のいい軍人は上機嫌で言った。
「ミサイルが小さいって?ミサイルの大きさと爆弾の威力は関係ない、
嘘だと思うなら実験してみたまえ」


3222/2:2013/03/08(金) 21:12:06.99
「弾頭のネジがバカになってるからセロテープを巻いてやろう」
「発射台は丸太で適当に組めばいい、発射しようとしまいと爆発すれば人類はおしまいさ」
「いいか、これは拳銃だ。つまり弾丸の発射装置だ。だから安全装置がある」
「これは弾丸だ、安全装置はない。
 だって、安全装置がついていたら弾丸の用をなさないからな」
「核ミサイルは弾丸なんだ、だから安全装置なんかついてない。わかるかね?」

筒井らしいドタバタをくぐり抜けて帰国すると、着物姿の老母が遊びに来ていた。
主人公は子供のように泣いた。

主人公は居座る観光客に、ミサイルは男根を模した御神体で
これからお祭りをするとごまかした。
「お母さん、お賓頭廬様じゃありません。弾頭…先端は一番神聖な部分なんです」

結婚の踊りも戦争の踊りも昼間に見せてしまったので、葬式の踊りでごまかす事になった。
かがり火に照らされたミサイルは、射精寸前の亀頭のように赤黒く光っていた。
主人公の脳裏にちらついた赤ん坊の顔は、な ぜ だ か わ か ら な い が 激怒していた。

筒井本人と山上たつひこが漫画にしてたが、
デザイナーあがりの筒井御大よりも山上たつひこの小汚ない絵がぴったり(‘A`)

 

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