阿呆は誰だ?(カトリーヌ・アルレー)

372本当にあった怖い名無し:2013/06/15(土) 11:50:50.61
カトリーヌ・アルレーの短編

ジャンはだらしなく太って食っちゃ寝生活の妻ジュヌヴィエーヴに我慢がならなくなり、殺害計画を立てた。
夏休みで滞在している孫を海水浴に連れていくのが日課なので、
砂に埋まって汗を流すのは健康にいいんだよ、運動するより楽だよ。とそそのかした。
娘夫婦も、ママは少し痩せた方がいいわよ、パパのおっしゃる通りになさいよ。と賛成した。

ジュヌヴィエーヴは、楽ならいいわ、と話に乗った。
ジャンは帰宅した妻に、脱水症状に気をつけろと言いながら利尿剤を溶かした水を飲ませた。
こんなことを繰り返すうちに、妻は脱水症状で死んだ。

解放感で嬉し泣きしたジャンだが、娘の言葉で愕然とした。
「ママったら、利尿剤を飲み過ぎたなんて…」

妻も夫婦仲が冷えきっていると感じていたが、ジャンにダイエットを勧められて、
まだ関心があるのかと嬉しくなった。
それで、砂蒸しダイエットの効果をあげようと、
こっそり利尿剤を飲んでいたのだった(娘の打ち明け話)
妻がまだ愛情を持っていたことを知ったジャンは後悔に苛まれた。終

 

21のアルレー (創元推理文庫)
21のアルレー (創元推理文庫)