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783本当にあった怖い名無し:2013/07/02(火) 11:10:17.85
有川浩 『ヒトモドキ』。
ベタ甘恋愛物だけでなく、こんな作風もあったんだと驚いた短編。

両親と弟と自分。4人家族で暮らしていた女主人公。
そこに、突然伯母が同居することになる。
その伯母は行動も思考も全く理解できないし、話も通じない。
ケチというレベルを全く超えて、リサイクルと称してごみを拾い集めてくる。
近所のパン屋からパンの耳を貰って来ては、
カビが生えてもその部分をちぎって食べ、さらにまた貰ってくる。


784本当にあった怖い名無し:2013/07/02(火) 11:13:29.55
図々しく、迷惑な伯母に振り回され、あちこちからの苦情にぼろぼろになる主人公一家。
あまりの汚さにしびれを切らした主人公は家出を決行、伯母はやっと出ていくことに。

だが、伯母は市内のビルの住み込み管理人になったうえ、
あちこちの清掃アルバイトを掛け持ちして、どこにでも出没する。
伯母は特に主人公の弟に執着し、ことあるごとに付きまとっては
お菓子や金、大額通帳とチラつかせる。
だが弟はその危険に気付き、伯母の排除にかかる。


785 本当にあった怖い名無し:2013/07/02(火) 11:16:13.20
その後、主人公一家は伯母と縁を切って生活していくが、また騒ぎが起こる。
伯母は、知らせてもいなかったのに主人公の結婚式にまで着古したジャージで現れて大騒ぎし、
後にその伯母とのことが原因で主人公夫婦は離婚に至ってしまう。

離婚後、上京して独り暮らしていた主人公の元に、母から電話がかかってくる。
伯母が変死したという。ゴミ屋敷と化した家の中で、孤独死していたと。
彼女は爆笑し、弟は快哉を叫びそうになった。


786 本当にあった怖い名無し:2013/07/02(火) 11:19:01.98
伯母は、絶縁したのちもことあるごとに弟の前に現れ、財産の隠し場所を教えに来ていたという。
弟は伯母の執着が怖くてできなかったが、これで待たせていた恋人と結婚を考えられる、と喜んだ。

自分の心に取り憑いた伯母を落とすために伯母の物語を描いた主人公は、伯母の事を振り返る。
伯母は、愛して欲しかったのだろうか。そのやり方を知らなかっただけだったのだろうか。
「ヒトモドキ」だった伯母。次は「人」に生まれ変われるといい、と主人公は思った。

 

Story Seller〈2〉(新潮文庫)
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