ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その144 » 20年前の不定期連作短編

2341/3:2013/10/23(水) 21:03:09.47
もう20年も前のこと、「花とゆめ」(LaLaだったかも)に不定期で掲載されていた連作短編。
作者名もタイトルも覚えてないけど…。

主人公は大正時代の成金の二代目で、いつもニコニコの極楽とんぼ。
ある日、彼のところに華族のお嬢様が嫁いでくる。
華族といえど台所事情は苦しく、この縁談は
双方の父親が互いの富と地位を欲した結果のいわゆる政略結婚であった。

気位の高いお嬢様は、最初、成金の主人公を嫌悪するが、
やがてその温かな人柄に触れ、心を開いていく。

仲睦まじく暮らしていた二人だったが、
ある日主人公が一人の少女を屋敷に連れ帰ってきた。
けばけばしい着物と安白粉の匂いをまとった少女は、
地方の貧しい農家に生まれ、親に売られた売娼窟で
客を取らされそうになったところを間一髪、逃げてきたのだった。

主人公は少女に新しい着物と食事を与え、屋敷でかくまうことにした。
初めての柔らかな布団に美味しい食事、
そして何よりも、誰も足を通したことのない真っ白な足袋に、
少女は「おら、お姫様になっただか…」と感激する。


2362/3:2013/10/23(水) 21:04:44.92
事情を知らないお嬢様は、
(主人公は、お嬢さまが自分が嫁いできた経緯を思い出して
 傷つくのをおそれ、少女の素性を明かしていない)
主人公が妾を作ったと思い込み、激しく嫉妬するが、
気位が高いゆえに主人公に思いをぶつけることができない。
代わりに少女を見下したように扱ったため、
少女は態度を硬化させ、一方で優しい主人公にほのかな思いを寄せる。

ところがある日、少女が遣いに出た折に、売春窟の追手に捕まってしまう。
偶然通りかかったお嬢様は、ひと目ですべてを理解し、追手に自分の装身具を投げつけて
「お金ならいくらでも差し上げます。その人を離しなさい!」と、叫んで追い払った。
「おらを憎んでたんじゃ…」と訝しむ少女に、お嬢様は
「わたくしもあなたと同じだからです。わたくしも親に売られ、(主人公)様に救われたの。
 だからあなたも、いつまでもうちにいてよろしいのよ」。
目に涙を湛えつつ、微笑みかけるお嬢様を呆然と眺めながら、
少女は、「本物のお姫様だ…」と呟いた。

数日後、置き手紙を残して一人旅立つ少女の姿があった。
足にはあの、真っ白な足袋。
歩き出してすぐに、泥がはねるのを気にするが、
「また洗やええだ!」と微笑んだ。
その目には涙が光っていた。…


237 3/3:2013/10/23(水) 21:06:43.54
いま思い出してもなんだか切なくなる話。
作者はストーリーも絵もうまかったのにいまいち地味で人気が出なかったのか?
寡作で消えていったのが惜しまれる。

239 本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 21:18:45.12
イイ話じゃないか
普通に感動した

241 本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 21:23:31.83
>>236
ジーンときたわ
どの辺に後味の悪さを感じたんだww

242 本当にあった怖い名無し:2013/10/23(水) 21:31:22.43
>>241
いやだって多分少女は売娼窟に帰ったんだよ?
本人は、汚れてもまた白く戻れる、と健気な覚悟を決めたけど、
その後の少女が舐めるであろう辛酸を思うと、後味悪いよ…。

252 本当にあった怖い名無し:2013/10/24(木) 01:04:34.11
>>242
なんで戻ったんだろう
迷惑かけられないと思ったから?

253 本当にあった怖い名無し:2013/10/24(木) 01:14:21.32
>>242
ああ、最後のシーンはそれを暗示してるわけか・・・
旅立つってもまさか女郎屋に戻るってことだとは思わなかった

266 本当にあった怖い名無し:2013/10/24(木) 12:57:23.78
>>252
多分。
お嬢様が追手に装身具投げつけたとき、追手がすかさず拾って
「こんな上物を…!へへっ、これからもよろしく」みたいなことを言うシーンがある。

>>253
実家に戻っても連れ戻されるし、
この時代、女の子が係累を頼らず一人で生きていくのは難しかったんじゃないかなあ。


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