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朝倉世界一 『おとうさんといっしょ』
読み切り漫画で確かVOWの特別号みたいな本に載ってたと思う

主人公はある女性を一途に思い続けるストーカー
と言ってもその女性に夫がいる事も
自分の物にならないだろう事も理解しているらしく、
ただ物陰から彼女の行動を見つめているだけ

だからターゲットになっている女性は
ストーカーされている事に全く気づいておらず、
男もまた彼女の名前さえ知らない
そのかわりに男は彼女の結婚指輪とよく似たデザインの指輪を
誰にも知られないように足の指にこっそりと付けている
歩く度に擦れて痛むが、そうして名前も知らないその彼女を思う日々

ある時男は彼女との子供が欲しいと思うようになる
そうしてたまたま街で見かけた赤ちゃんに目を付け、
母親がちょっと目を離した好きにその子を攫ってしまう

何も知らず無邪気に笑う赤ちゃんをあやしながら
「あの人に名前を付けてもらいたい」と望むストーカー男

その日、ターゲットの彼女がロメオ・ジリの時計を購入したのを見かけた男は、
足につけた指輪に向かって「良い名前だよ」とつぶやきながら
攫った赤ちゃんにろめおと名付ける

その頃ろめおの本当の母親はいなくなった我が子を必死に捜していた
いつものように街に出たストーカー男は
呆然とした様子で街をさまようろめおの実母を見かける
このままでは足がつくと考えた男は
「近くで子供を攫ったのは失敗だったな…」などと思いながら
ろめおの実母に声を掛け、首を絞めて殺害する


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やがて数年が過ぎてろめおも物心つく年頃になり、
度々男に何故自分に母親がいないのかを尋ねるようになる
その度に母親はもう違う男の人と一緒に暮らしているのだから
会えないのだと諭すストーカー男

それでもじっと寂しさに耐えているようなろめおの姿に
男は「見るだけなら」と子供達をつれて街へ出る
そこにはちょうどストーカー男の思い人が本当の家族と一緒に歩いていた
見るからに幸せそうな家族、ろめおは寂しげに心の中で
「お母さん…」とつぶやく事しか出来ない

帰り道、ろめおは父と信じるストーカー男に母親の名前を尋ねる
ストーカー男は少し考えてから
「知らない方が良いよ」と答えて終わり

朝倉世界一って自分の中では不条理ギャグ漫画の人だったから
こんな話も描くんだとちょっと衝撃だった

実はろめおにはまだ年端も行かない妹がいるんだけど、
この妹も恐らくどこかの誰かから攫ってきた子
自分の父親だと思っている人は本当は自分の実母を殺した犯罪者で
母親だと思っている人も赤の他人
しかも妹だって血がつながっていないとか…
ろめおの身の上を考えると今でもじわじわ来る


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