秘密(筒井康隆)
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719:本当にあった怖い名無し:2014/02/16(日) 01:51:18.49
- 筒井康隆の短篇「秘密」
人を驚かすのが好きな少年がいた。
物陰に隠れて、通りかかった人の前に「わっ!」と現れて反応を楽しむのだ。ある日、少年は家の玄関に隠れて誰かがやって来るのを待っていた。
人の気配を感じた少年はいつものように「わっ!」と飛び出した。
少年の祖母が酷く動揺した顔をして震えながら立ち尽くしていた。
祖母はそのままバタリと倒れ死んでしまった。
あまりの出来事に少年は「おばあちゃんが…」と泣き叫び
家族が駆け付けた。祖母は体が弱かったので、
家族は祖母が突然発作を起こし死んでしまったと思い込み
少年を疑いもしなかった。
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720:本当にあった怖い名無し:2014/02/16(日) 01:53:43.14
- その後少年は何事もなく大人になり普通の生活を送っていた。
しかし彼は祖母の事を忘れることはなかった。
彼は思う、あの事は一生自分だけの秘密にしようと。