アルジェの男

215「アルジェの男」1/2:2014/03/03(月) 01:25:14.90
宝塚歌劇「アルジェの男」初演は1974年、その後2回再演。
2011年版は前2回とは結構印象が違うらしい

第二次大戦前のアルジェリアが舞台。
主人公ジュリアン・クレール(主演男役が演じる)は、
強盗と殺人以外の悪事は全てやったと自称するワル。
しかし彼なりにも悪事のルールがあり、
いつかアルジェを出てパリで一旗揚げるという野望を持っていた。

ある日、ジュリアンはアルジェ総督に気に入られ、
自分の運転手として働かないか、と誘われる。
出世の足掛かりになると考えたジュリアンは、
恋人のサビーヌ(主演娘役が演じる)と別れ、総督のもとで働き、
やがて昇進した総督と共にパリへ渡る。

5年後、総督の元で熱心に働き信頼を得たジュリアンは秘書にまで昇進し、
総督の娘エリザベートとの縁談も持ち上がっていた。
そんな時、ジュリアンは社交界で絶大な権力を持つ公爵夫人に話しかけられ、
姪のアナベルと結婚してくれるならば政界での支援を約束すると言われる。

ジュリアンはエリザベートとアナベルを同時に攻略しようとし、
最終的にエリザベートを選ぶ。
かなり深い関係になった後に捨てられたアナベルは
ショックで入水自殺。


216「アルジェの男」2/2:2014/03/03(月) 01:28:35.00
総督と自分の出世が約束され意気揚々としていたジュリアンだったが、
そこにアルジェ時代の仲間、ジャック(二番手男役が演じる)が現れる。
総督と対立している政治家に雇われたジャックは、
総督を失脚させる手伝いをしなければお前の過去をばらすとジュリアンを脅す。
ジャックが去った後、ジュリアンはこんな重要な時に邪魔をされてたまるか、と
拳銃を持ってジャックを追う。

すると、たどり着いた時にジャックはサビーヌに射殺されていた。
(サビーヌはジュリアンを追ってこっそりパリに付いてきていた。
 この場面の少し前に再会している)

サビーヌのしたことを見たジュリアンは真実の愛に気付いたとか何とか言って、
サビーヌと逃げることを決意。
2人で逃げ出し、空港にたどり着き、さあ逃げようという時に
待ち構えていたアナベルの執事(三番手男役が演じる)に射殺される。

ジュリアンの死体にすがって泣き叫ぶサビーヌにスポットライトが当たる中、
幕が下りて終了。

因果応報ではあるが、宝塚のトップスターが
「三股かけた挙句殺される」なんて役を演じるのも凄いし、
ストーリーも誰も幸せにならない。
宝塚と言えば死ぬ間際に長々と喋るのがお約束だが、
この作品ではいきなり撃たれてバタッと倒れてそれで終わり。
あと重要な役をやならきゃいけないはずの二番手がただのクズ。

演出もラストがかなり衝撃的に演出されてるので、ほんとに後味悪かった。
幕が下りて客席が明るくなった後、
「え、これで終わり?」という声や混乱する声があちこちから聞こえた。

なお「総督」という登場人物はパリに渡った時点で肩書が変わっているが、そのまま使った。