始業式の朝
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865 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/01 14:55
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高校3年生になったばかりの春、新学期当日
私は廊下に貼り出されるクラス分けの表を見る為に
早めに家を出て学校へ急いでいました。学校のある駅に着いた時、同じ高校の制服を着た女子生徒が
通路の端で、具合が悪そうにうずくまっていたのです。
ふと横目で見ると、私と同じ今学期で3年生になる生徒でした。
彼女は病気の為に、体も小さくとても弱々しい印象で
入学した時から同級生たちの間で、あまり良くない内容の噂になっていたのです。しかし、うずくまる彼女を無視して通り過ぎる気になれず、声をかけると
その様子のとおり”気分が悪い”との事。私は駅員さんに声をかけ
彼女を保護してもらい、彼女から自宅の電話番号を聞いて
(当時は携帯電話が無い時代だったので)公衆電話から彼女の家に
「迎えに来てあげて下さい」と連絡を入れて学校へ向いました。学校に着いた頃には、他の生徒は皆、表で新しいクラスを確認し終え
各自教室に入って担任の先生の話を聞いている最中でした。
家を早く出たのに関わらず、私は新学期早々遅刻をしてしまったのです。<続く>
- 866 名前:865
投稿日:02/05/01 14:56 - 遅刻の為、大勢の前で担任の教師に注意を受け
一部のクラスメートには「遅刻女」という陰口を言われ
しばらく新しいクラスに馴染めなかったのですが
それも時間が経つと段々と薄れて、そのうちクラス内で
仲の良い友達も出来、楽しい学生生活を続けていました。そんなある日・・・廊下で、始業式の日に助けた彼女とバッタリ出会ったのです。
汚い考えですが、私はその時彼女に”お礼”を言われると思っていました。
「新学期当日に助けてくれてありがとう、色々としてくれてありがとう」と。
しかし、彼女はすれ違いざまに私の顔を見たのにも関わらず
何も言わずまったく他人として私の横を通り過ぎたのでした。その行為にカチンときた私は、仲良くなった友人達に
彼女の悪口を散々言ってウサ晴らしをしました。私が悪口を言ってしまってから数日後、彼女は
突然17歳の若さで亡くなってしまったのです。
死因は病死・・・生まれた時から、医者に「20代までは生きられない」と言われていたのだと、葬式に行って彼女のご両親と話をした
学年主任の先生から教えられました。私はそれを聞いて、一気に罪悪感が押し寄せてきました。
「後味が悪い」というのとは違うかもしれないですが、今ではもう亡くなってしまった彼女の悪口を言った事が申し訳なくて、後味が悪い感じです。
<おわり>