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72 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/14 11:19
童話「親不孝な息子」

昔、ひとりの男が妻と戸口の前にすわり、
鶏の丸焼きを前において、ふたりで食べようとしていました。
すると年老いた父親がやってくるのが見えました。
男は、父親にあげたくなかったので、あわてて鶏を隠しました。

年老いた父親はやってきて、水を一杯飲むと、帰っていきました。
さて息子が鶏の丸焼きをテーブルに戻そうと手をのばすと、
それは大きなひきがえるになっていました。
そして男の顔に飛びつくと、そこにひっついたまま、離れなくなりました。
そして誰かがそれを取ろうとすると、そいつの顔へ跳びかかりでもするように
憎々しげな目でにらみつけました。そこで誰もさわろうとはしませんでした。

そして親不孝な息子はこのひきがえるに毎日餌をやらなくてはなりませんでした。
そうしないとひきがえるは男の顔を食べてしまいました。
そんなわけで男は世の中をふらふらと歩きました。

 

完訳 グリム童話集〈4〉 (岩波文庫)
完訳 グリム童話集〈4〉


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