悪夢の地底遭難/血を吸う斧・連続襲撃の恐怖

577 名前:1/3 投稿日:02/07/04 23:35
昔、TVで見た映画。

偶然、お宝の隠し場所の地図を発見した数名の男たち。井戸の底にあると言う
財宝を探しに出かけた。ところが落盤事故が発生し、男たちは狭い空間に閉じ込められる。
時間が経つにつれ、男たちを飢えが襲う。だが、残っている選択肢はひとつだけ。

「誰かに犠牲になって貰うしかない。公平にくじ引きで決めよう」

くじを引き、当たった男は泣き叫ぶが、仲間に腕を切り落とされ、
それは全員の食料となった。

だが、皮肉なことにその直後、救助隊が現れる。衰弱はしているが無傷の男たちと、
片腕を無くし、「たった今」起こった悲惨な出来事を訴える一人の男。

「そいつは落盤で片腕を失い、そのショックでずっとそんなたわ言を言っているんだ」

友人の腕を食らった男たちは、自らの罪深い行為が発覚するのを恐れ、救助隊にそう言った。
腕を失った男は、「事故による精神錯乱」と判断され、精神科の病院に入院させられる。


578 名前:2/3 投稿日:02/07/04 23:36
数年後、片腕の男が退院した、との噂が流れ、彼の腕を食った仲間たちは、危惧を感じる。
そしてそれは現実となり、仲間の一人が片腕を切り落とされた屍体で発見された。
男たちは片腕の男の居場所を探すが、手がかりは男の娘ただ一人。
男たちは言葉巧みに娘をてなづけようとする。

「君の父上は、錯乱のために我々に復讐をするつもりなんだ。
 だが、僕らは彼を救いたい」

娘は父親の捜索に協力すると約束した。だが、片腕の男の行方は判らず、
一人を除いて全員が次々に殺害される。屍体は全て、片腕が切り落とされていた。

ただ一人残った男の元へ、娘から連絡が届く。父親の隠れ家を見つけた、と。
辺鄙な隠れ家へやって来た最後の男。隠れ家は殺人者にふさわしく、頑丈そうなつくりだけが
取り得の、家具ひとつ、窓さえ無い小屋。その時突然、重い扉が彼の後ろで音を立てて閉じる。
完全な密室となった小屋。男は半狂乱で扉の覗き窓から外を伺う。


579 名前:3/3 投稿日:02/07/04 23:36
そこから見えたのは、車椅子に乗った片腕の男とその娘。娘は無慈悲に、
残念だがそこから出してあげることは出来ない、と瞳に父と同じ狂気を宿して答えた
忌わしい過去と同じ密閉された空間。閉じ込められた男は絶叫する。

「そこには何も無いわ。水も、食料も。でも気の毒だから、これをあげる」

そう言って娘が覗き窓から差し出したのは、
鋭利に研がれた、
人の腕ぐらいは
易々と切断できそうな、

一本のナイフ。

 

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