ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その10 » その「声」を手に入れたくて

362 名前:2/1 投稿日::03/05/02 12:17
少女漫画ネタです。

歌を作るのが上手い女の子がいた。
彼女は人間の色々な感情を表現する歌をいくらでも作ることができるのだが、
彼女の声は変にまっすぐな声で歌にこもってる感情を表現することが出来なかった。
だから彼女は自分の歌を表現してくれる「声」を持っている人をさがしてまわった。

ある日、その「声」の持ち主を探し当てた。
「声」の持ち主も女性で、彼女の声はありとあらゆる感情を表現できる素晴らしい声だった。

歌を作る女の子は「声」の持ち主の女の子を説得し
自分の歌を「声」の持ち主に歌ってもらったテープを作成してレコード会社に送った。

さっそくレコード化が決定し、
二人は有名な作曲家と歌手になることができた。

(続く)


363 名前:(続き 2回じゃ終わらなかった) 投稿日::03/05/02 12:19
(続き)

しかし、歌手はそのうちに作曲家が作る歌が重過ぎると考えるようになり
他のアーティストに曲を提供してもらって、作曲家からは独立したいと思うようになった。

作曲家は当然怒った。
歌手の声は自分の歌を表現するためにあるのであり
他のアーティストの浅薄な歌を表現するためにあるのではないと思ったからだ。

作曲家は歌手にこう言い放った。
「あなたの声は私のものよ!」

歌手は言い返した
「何言ってるの??私の声は私のものよ。いいかげんあなたの歌から解放してよ。
 あなたの歌は自分で歌ったら??」

作曲家は激昂して、思わず歌手を絞め殺してしまう。

(続く)


365 名前:(続き 2回じゃ終わらなかった) 投稿日::03/05/02 12:19
(続き)

作曲家はそれまで、自分の声を変えようと努力してきた。
ボイストレーニングを受けたり、腹筋を鍛えたりして
なんとか声を変えようとしていた。だけど努力は無駄だった。
そして、やっと理想の声を見つけたと思ったら
その声の持ち主を殺してしまった。
作曲家の中で何かが壊れた。

場面変わって病院の受付。
作曲家が受け付けの看護婦にこういう。

「声帯の移植手術をしてほしいんです。」

そして、氷のつまったビニール袋を差し出す。
中には氷のほかに、血にまみれた気道と声帯が入っていた。

作曲家は思っていた。

早く彼女の声を手にいれなくちゃ。
だって私の頭の中には今も歌が沢山生まれてきてるんだもの。

(終わり)


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