ホーム » 小説 » 小説/か行 » 紅の玉(宮部みゆき)

558 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/01/04 03:23:43
宮部みゆきはぼんくらも後味悪かったな。
時代劇は後味悪い話しが多いね。
名前は忘れたが飾り職人の話も後味悪かった。

法律の改正で宝飾品のみならず、贅沢と見られることは
全て摘発される時代、飾り職人の仕事は滅多にない。
体の弱い妻を抱えたある飾り職人は、その日の飯にも
事欠くくらい金に困っていた。医者に診せてやりたいが、金がない。

ある日、内密でかんざし製作の依頼が来る。
孫娘が嫁に行くが、贅沢が禁止されている中では、
お上の目が怖くて満足な嫁入り道具も用意できない。
しかしせめて何か一つでも持たせてやりたい、そんな気持ちから
家宝の宝石を使ってかんざしを作ってやりたい、そんな依頼だった。


559 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/01/04 03:24:19
内々の依頼というだけあって依頼金は奮発されていた。
久しぶりの本格的な仕事と言うこともあったが、
法律が変わらない限りこんな仕事は二度とできない、
その気持ちが一層仕事に磨きをかけた。

心を込めて一世一代の仕事に打ち込んでいる夫を
見ていたせいか、妻の体も回復してきた。
仕事が終わったら結婚前に約束していた念願の旅行に出掛けよう、
白いご飯も食べさせてやりたい、医者にも診せてやろう、
妻の望むことを何でもしてやろう、そんな明るい気持ちで完成品を手渡した。


560 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:05/01/04 03:24:57
数日後、さる家の娘が仇討ちを行った噂が広がる。
見事な細工のかんざしで親の仇を討ったそうだ。

かんざしには職人の名前が彫ってある。
もし依頼人が事情を打ち明けてくれれば、名前など彫らなかった。
掘った後でも事情を打ち明けてくれれば、名前を消すことができた。
でも依頼人は何も言わなかった。

職人が捕まってる間に妻に何かあったら、誰が仇を討ってくれるのか。
しかし一介の職人には逃げる場所など、どこにもなかった。

 

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