ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その26 » やさしい角

404 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/05/10(火) 19:05:05
楠 桂が、鬼をテーマに描いてたショートショート集でこんなのがあった。
昔、鬼の里に愛し合っている、男と女の鬼がいた。
女は、男の頭の、やさしい角が好きだった。
ふたりは、やさしい人間たちが好きだった。
ふたりは幸せになりたかった。
だから人間になる方法を探しに、男は人間の里に下りていった。
女は、男が笑顔で戻るのを待ち続けた。何年も…
ある日、男は帰ってきた。その手には、赤子が抱えられていた。
人間になる方法を見つけたよ。人間を食えばいいんだよ。
俺は、人間を食ったからもう角はない。
これは、俺が人間の娘との間に作った子供だ。
これを食えば、お前も人間になれる。さあ。
そういう男の目は…女の知っている彼ではなかった。
女は悲鳴を上げた。
全ての愛をこめて、男を殺した。
月の光の中で、女は泣いた。
女の好きだったやさしい角はもう……なかった。

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