ホーム » 小説 » 小説/あ行 » 一年半待て(松本清張)

376 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/28(火) 20:15:33
思い出しましたよ。似た系列の小説。
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ある女性が夫を殺害した。
夫は無職で仕事も探さず、妻のヒモだった。
日夜暴力を振るい、挙げ句の果てに妻の友達に手を出して不倫をしていた。
止まない暴力に命の危険を感じた妻が、衝動的に夫を殺してしまったのだった。

話を聞きつけ、一人の女性弁護士が立ち上がる。
この弁護士は女性の人権問題に関心が深く、日頃から女性の地位向上のために運動していた。
この事件も妻が虐げられた末の犯行であり、妻に落ち度はないと持論を展開する。
さらにマスコミが事件をかぎつけ、同情を誘う誌面が巷に流れる。
応援者は日に日に増えていき、情状酌量を求める世間の声が強まっていった。


377 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/28(火) 20:17:26
女性は執行猶予三年の刑を言い渡される。

裁判は勝利に終わった。
数日後、満足げな弁護士の元へ一人の男性が訪れる。
男性は裁判について聞きたがった。弁護士は得意げに説明していく。

本当に判決は妥当なのか、男性はそればかりを繰り返し尋ねる。
弁護士は不快げに質問を切り捨てるが、男性の追求は止まない。
不審に思い、尋ねる。あなたは一体誰なのか?

男性は語った。
自分は山奥の炭坑に勤める人夫である事。
学もなく、難しい裁判は理解できない事。
しかし知っている事がある。
あの女性と自分は付き合っていた。
自分は彼女にプロポーズをした。
彼女の返事は、「一年半待って」だった。


378 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/28(火) 20:18:59
彼女が何をしたのかはわからない。
夫は暴力を振るったのだろう。でもそれは彼女が仕向けたのかも知れない。
夫は浮気をしたのだろう。でもそれは彼女が仕向けたのかも知れない。

彼女の言う通り、一年半後に夫は消えた。
しかし唯一の誤算は、自分も彼女の前から消える事。

それを伝えに来た。
彼女の弁護士のあなたに。
それだけ告げると、男性は去っていった。終わり。
————————————————-
殺された夫が気の毒だ。
無職だったけど、最初は仕事を探していた。
それを無職のヒモ生活に追い込み、不倫させて暴力亭主に仕立てた。
元は大人しく生真面目な人間だったようだ。
しかもこの夫、本編には一切出てこない。無惨だ。


393 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/28(火) 23:42:55
>>377 >>378
松本清張の「一年半待て」だね。
大分前にテレビ朝日のドラマで見たよ。
女主人公が多岐川裕美で、駄目旦那が本田博太郎、
プロポーズした男(ゼネコンのダム設計者になってた)が篠田三郎、
フェミニストの弁護人が小川真由美だったかな。

 

張込み (新潮文庫―傑作短篇集)
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(新潮文庫―傑作短篇集)
遠くからの声―松本清張短編全集〈08〉(光文社文庫)
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〈08〉(光文社文庫)


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