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800 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/12/08(木) 19:13:48
楳図かずおの短編
細部ウロだけど、こんな感じの話だった。

舞台は海辺(島国?)の小さな村。
確か海辺で夕日を見てる男の思い出話で始まる。
見たトコ、小太りでぱっとしない感じの若い男。
かつて彼には仲の良い可愛い奥さんがいて、
貧しいながらも譲り合って、仲むつまじく暮らしていた。
愛する妻と二人で、夕日の海を見るのが夫の幸せな時間。
ところがある時、都会から来た派手でイケメンの男が、奥さんを誘惑。
それまで経験のなかったあか抜けたアプローチに奥さんすっかり参ってしまい、
かつての質素で地味な生活はどこへやら、しょっちゅう家を空けるようになった。
実直なやさしい夫も、すでにサエない田舎者にしか見えない。
とうとう奥さん、恋人といっしょに都会で住むと言い出す。
その日、奥さんは初めて口紅を塗り、別人のような装いで夫に別れを告げる。
でも、そんな妻を夫はまだ美しいと思った。どんなひどい言葉を投げつけられ、
残酷な事をされても、愛し続けていた……。
回想は終わり、再び海辺に座る夫の姿。妻への愛を語り続ける。
妻が去っていった海の向こうをみて、悲しみに暮れているつらそうな夫……
と思いきや、ラストで夫の座っていた場所から、ゴロリと白骨が転げ出る。
都会の男が、妻を愛していないコトなんか、夫は解っていた。妻を悲しませたくなかった。
夫は妻を手にかける事で、妻を自分だけのものにした。
そうして今も、こうして妻と海を見る時間が幸せなのだった…

という感じ。
この場合は、夫に少し叙情酌量の余地があるけど、
楳図は絵に深みもあるし、ちょっとドーンと重い気分にナタヨ~。


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