ホーム » 小説 » 小説/は行 » 緋色の迷宮(トマス・H・クック)

818 名前:814 投稿日:2005/12/25(日) 23:25:54
上手く後味悪さが伝わるかどうか分からないけど。
読みたてほやほやで後味悪いトマス・クックの”Red Leaves”です。

主人公エリックは小さな写真屋を営んでいた。17歳の息子と
美人で仕事のできる奥さんとにめぐまれ、ささやかに幸せに暮らしていた。
エリックは子供時代に妹を脳腫瘍で亡くし、父親が事業で失敗して破産し、
母親は自殺するという不幸な家族の出身だったので、なおさら今の家族を
大切にしていた。エリックにはウォレンという兄もいたが、
兄の方はペンキ工で、妻にもめぐまれず世間的に見て負け犬人生を送っていた。

ある夜、エリックの息子キースは近所のジョルダーノ家にベビーシッターを
頼まれ、一人娘エイミーを夫妻の留守の間面倒をみることになる。
キースは夫妻が戻ってきた後ジョルダーノ家を後にしたが、
次の朝、エイミーが行方不明になっていた。

ジョルダーノ夫妻、近所の人々、警察はみなキースを疑う。
キースは友達もおらず、ひとり家にこもってゲームをしているような
少年だったので、父親であるエリックさえもキースを疑ってしまう。


819 名前:814 投稿日:2005/12/25(日) 23:26:43
警察はキースのパソコンを押収した。するとそこから幼い少女のヌード写真が出て来る。
ますますキースの立場は悪くなる。
そしてキースは事件について口を閉ざしたまま。家族の仲は膨れ上がる疑惑のために
殺伐としたものになる。エリックは、あれほど幸せに思えた家族も所詮嘘の固まり
にすぎなかったとまで思うようになる。

しかし、エリックはある事に気付いた。兄のウォレンが怪我をして
エリックの家に世話になっていた時、ウォレンは暇つぶしに
キースのパソコンを使っていた。写真をネットからダウンロードしたのは
ウォレンだったのでは?
またウォレンの家が小学校の近くに建っていた。
そして、小学校の教師が、ウォレンが家の窓から双眼鏡で校庭を覗いていることに
苦情を申し立てていた。エイミーがいなくなった夜、キースをジョルダーノ
家に送っていったのもウォレンだった。

エリックはさらに恐ろしい事に気がついた。脳腫瘍で亡くなった
妹が死ぬ直前に何かをしきりに訴えようとしていた。しかし病に侵されきって
いた彼女はそれを伝えられずに死んでしまう。ウォレンは病の床につく
妹の横で彼女の容態をみはる役割を引き受けていた。
その間にウォレンは妹によからぬ行為をしかけていたのではないかと。

エリックはウォレンに写真の事でつめよる。ウォレンは写真の事は認めたが、
ふとしたエリックの言葉から、エリックがウォレンが妹に何かした事を
疑っている事に気付き、激しいショックを受ける。
もともと負け犬人生を送っていたウォレンは全てに絶望しその夜に自殺してしまう。


820 名前:814 投稿日:2005/12/25(日) 23:27:13
ォレンが自殺した事によって人々のキースに対する疑いはそれた。
しかしエイミーの父親だけは依然としてキースを犯人だと決めつけていた。
警察はウォレンが犯人だという確証はつかんでいない。
エイミーの居場所も相変わらず分からないままだった。

エリックもキースを信じるようになってきた。キースもエリックに
話をするようになり、親子は和解した。

ある夜二人はピザを買いにでかけた。そしてピザの配達員の男が
マールボロのタバコの吸い殻を投げ捨てたのを見かけた。
エイミーがいなくなった後、警察がエイミーの寝室の窓の外に
マールボロの吸い殻が落ちているのを発見していた。そして、キースが
ベビーシッターしていたとき、夕飯にピザをとった事を思い出した。
もしかして、エイミーを誘拐した犯人はピザの配達人なのでは?
キースは警察に連絡をした。

その数日後、キースはエイミーの父親によって射殺されてしまう。
エイミーの父親もキースを撃った後その場で同じ銃で自殺する。


821 名前:814@これでおわり 投稿日:2005/12/25(日) 23:28:30
結局エイミーは救出された。犯人はピザの配達人だったが、
キースが警察に連絡した事によって警察が動いたのだった。
もう少し警察が動くのが遅かったらエイミーは殺されてしまうところだった。

エリックの妻はキースの死によって、これ以上エリックと夫婦関係を
続けていられないと言い残し去っていった。
エリックは結局妻も息子も兄も、全てを失ってしまった。

長くてすまんです。もとが長篇だったのでこれでも
精一杯みじかくしました。


823 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/12/25(日) 23:32:46
>>821
乙!
しかし後味の悪さが極まったような話だね。
作者はこの作品で何を訴えたかったのか…?

どんな幸せな家庭も実はガラス細工みたいなもので、
外的要因で少しひびが入れば簡単に崩壊するってことか?


824 名前:814 投稿日:2005/12/25(日) 23:39:44
>823
どうもそんな感じらしいです。
奥も浮気してるっぽかったし、とにかく疑惑がどんどんと
家族を蝕んでゆく様が後味悪いです。

 

緋色の迷宮 (文春文庫)
緋色の迷宮 (文春文庫)


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