ホーム » 小説 » 小説/は行 » 不足の成分(ジョージ・ド・ルースネー・リオン)

919 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/19(日) 13:31:40
昔読んだ外国の短篇。

気のやさしい夫と、それを良いことにワガママ放題の暴君のデブ妻。
夫は妻を愛していて、言うことは何でもしてやり、誠心誠意尽くす。
あまり金持ちではなく、夫は手先が器用だったので、
日曜大工から家庭製品の修理なんかも、下僕のようにさせられていた。

そんな夫の最近の自己ヒットは、手作りのセッケン。
肌の弱い妻にと、いろんな油を工夫して作ってみるのだが、
例によって妻は、べとつく、臭い、ヘタクソといちゃもんつけまくり。
セッケンはその人の体質と同じ油を使わなくちゃダメなんだ、この能なしと、
ガミガミとどなりつけ、更に他人に夫の悪口を言ったりさげすんだり。

トドメは何だか忘れたが、とにかくそんな事が次々と積もり、
更に階段から突き落とされるか何かして、夫は静かにブチきれる(ここが恐い)。
作業場である地下室のから、夫は階段の上に立ちはだかる妻を見上げ、
そして気づく。目の前に、まさに妻が望むとおりの油のカタマリがあることに。
今、お前の肌にぴったりの油を見つけたぞと、夫はゆっくりと妻に近づいていく…。

旦那さんがホントに良い人なので、最後のこのキレ方が悲しい。
これでこの人の人生もお終いなのかと思うと、キュンとして後味悪い。


後味悪い
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