雷鳴(星新一)

489 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/17(月) 22:12:26
何かのショートショートに載ってた話。もしかしたら、星新一かも?

主人公は中年の男性。
一人暮らしで妻も子供もおらず、一人で気ままに暮らしていた。
主人公は仕事はしているものの、あまり意欲がなく「金でもあれば何か新しいことを始めるのに」とぼやいていた。
ある雷の夜、部屋の隅に老人が立っており、その老人は主人公を指さしていた。
恐くなった主人公は電気をつけるが、そこには誰もいない。
その数日後、主人公は宝くじで大金を儲けた。
しかし、雷の夜に現れた老人と何か関係あるのではないか、と思い全額貯金することにした。
更に数日後、親類が亡くなったことでその遺産が主人公にころがりこんできた。
それを知った主人公の友人達は「おごってくれ」と言い、主人公は友人達におごることにした。
しかし、主人公はうっかり老人のことについて話してしまい、友人達も君が悪くなっておごってもらうのを止めた。
その後も株で儲けたり、買った土地が値上がりしたりといい事尽くめだったが、主人公は喜ぶ気になれなかった。
「この金を欲望のまま使ってしまったら、あの老人が呪いをかけて自分は死んでしまうのではないか」と。
そして、十数年経った後、再び老人が主人公の部屋に現れた。
その老人が言うには「私はお前の先祖だ。お前が気の毒で金回りを良くさせてやったのに、何故遣わない?」
主人公が「あの金を使っても良かったのか?」とたずねると、老人は
「金回りが良くなれば、お前も周囲もうるおうようになると思ったのだがな」と言い残し、消えてしまう。
無駄なことで長い間悩んでいたのか、とショックを受けた主人公はそのまま心臓発作で亡くなってしまう。
友人達は「あの金はやっぱり呪いの金だったんだ」と思い、主人公の財産を受け取りたがる人もおらず、
国に寄付しても国が不幸になるだろうと考えた。
そして、主人公の財産で立派な墓を作ったのだが、そこに墓参りしにくるものは誰もいなかった。


490 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/17(月) 22:18:38
>>489
先祖の爺さんよ、初めからそう言ってやりゃよかったのに…
もったいない

498 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/04/17(月) 23:06:01
>>489
星新一であってるよ

 

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